エムエスアイコンピュータージャパン株式会社(本社:東京都台東区)は2012年3月29日、秋葉原UDX(所在地:東京都千代田区)においてIntelの新世代CPU「Ivy Bridge」に対応するIntel「7」シリーズマザーボードのメディア向け新作発表会を開催した。発表された新マザーボードはIntel「Z77 Express」チップセット搭載モデルをはじめとする全7モデル。4月2日に迫る正式発表に合わせ、すでに出荷準備は万端整っているとのこと。
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MSIが「Ivy Bridge」に対応する新型マザーボードIntel「7」シリーズの発表会を開催。会場には展示された新製品がズラリと並ぶ |
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セッション冒頭ではMSI本社より、Special Assistant,President Officeを務めるRai Tsai氏のほか、マザーボード部門を統括する“ビッグボス”ことVice PresidentのScott Yang氏が登場。HDD供給の混乱から立ち直りつつある市場動向と新型CPU、新型GPUのローンチなどに言及し、「これ以上明るい材料が揃ったDIY市場は他にない」と一大商戦の幕開けを前にした熱意を語ってくれた。
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台湾本社から本発表会のために駆けつけたRai Tsai氏(左)とScott Yang氏(右)。PCパーツ業界の明るい展望とMSIの意気込みを語った |
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解説セッションはエムエスアイコンピュータージャパンの三好正行氏が担当。国内未発表のマザーを手に、体調不良を押して熱弁を振るう姿が印象的だった |
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■本邦初公開、Thunderbolt搭載の最上位「Z77A-GD80」が冒頭で登場
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CESでお披露目された最上位マザー「Z77A-GD80」が不意打ち的に登場。発売日や想定売価などは今のところ不明 |
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そして両者からバトンを引き継いだMSIジャパンの三好氏が冒頭懐から取り出したのは、1月に「2012 International CES」会場でも展示されていた「Z77A-GD80」。次世代データ伝送規格“Thunderbolt”を搭載するシリーズ最上位モデルで、日本国内では初のお披露目となる。
気になるのは同製品の市場想定売価や発売時期といったところだが、残念ながら現状では未定とのこと。ただ近日発売の予定ですでに動き始めているとの頼もしい説明もあり、早期の正式リリースに期待したい。
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次世代データ伝送規格「Thunderbolt」を搭載する。早期の市場投入が待たれるところだ |
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■「X79」から引き継がれた高信頼性の証、「ミリタリークラスIII」
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米MIL規格に準拠する「ミリタリークラスIII」。星の数でクラス分けされるほか、該当製品には第三者機関による証明書が添付される |
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MSIが一貫して開発理念の中心に据えているのが製品の品質や信頼性。それを最も象徴しているキーワードが同社独自の品質基準「ミリタリークラスIII」だ。
米国防総省が制定する「MIL-STD-810G」規格に準拠し、高い耐久性と安定性を実現している。
耐熱性に優れたタンタル樹脂を使用する「Hi-c CAP」、高効率フェライトコアを採用する「スーパーフェライトチョーク」(SFC)、10年以上の長寿命を誇る「アルミ固体電解コンデンサ」に加え、過熱によるシステム損傷を2段構えで防止する「DrMOS II」などの品質の高いコンポーネントを数多く採用する。対応する製品には星の数によってレベル分けがなされており、信頼性からモデルをチョイスする際の明確な基準になるだろう。
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ミリタリークラスIIIから追加された「DrMOS II」のほか、高品質なコンポーネントで品質を下支えする |
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■ワンタッチOC機能「OCジニーII」など充実したオーバークロック環境
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簡単にオーバークロックが楽しめる「OCジニーII」。BIOS上のオーバークロックデータは外部ストレージに保存して共有することも可能 |
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そして高い信頼性に支えられた特徴がオーバークロック性能の高さだ。ボタンひとつで簡単にオーバークロックできる「OCジニーII」を基板上に搭載し、OSは起動なら最大253%、3Dパフォーマンスも約145%向上するとしている。
電源供給のコントローラにはアナログPWM回路ベースのコントローラを、フルデジタルPWM回路同様のコマンドベースでコントロールする「ハイブリッド・デジタル・パワー」を採用。過激なオーバークロックにも対応する滑らかな過渡特性と優れたコントロール性の両立を実現している。このあたりは「オールデジタルエンジン」を標榜するGIGABYTEなどの他メーカーとは好対照といえるかもしれない。
そのほかUEFI BIOS上からオーバークロック設定のプロファイルを外部ストレージに保存可能なため、Web上のフォーラムなどでオーバークロック設定をシェアしたりといった広がりも期待できるとのこと。
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デジタルとアナログ制御の“いいとこ取り”を実現したとする「ハイブリッド・デジタル・パワー」。過激なオーバークロック時でも安定した動作が可能だ |
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■ゲーミングマウスにも対応する「Click BIOS II」
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マウスで直感的に操作できるUEFI BIOS「Click BIOS II」。動作の軽快なゲーミングマウスにも対応する |
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Windows上から実際のUEFI BIOSと同じUIで操作できるのが「Click BIOS II」だ。マウスやタッチスクリーンを使った直感的な操作が可能で、他社製では難しいゲーミングマウスなど高dpiマウスでの操作にも対応している。なお、従来は英語のみだった表示言語は日本語を含む15言語に拡大された。
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そのほかにも電圧をチェッカーで測定できる「V-チェックポイント」や「ゲーミングデバイスポート」など、便利な独自機能が多数搭載されている |
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■登場間近のマザーボード7モデルをチェックしよう
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標準でSandy Bridgeの能力をさらに引き出せるIntel「7」シリーズマザーボード。既存の環境でも買い換える価値はありそうだ |
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発表された新型マザーボードは計7モデル。PCI-Express3.0やUSB3.0をネイティブでサポートするほか、標準設定でもSandy Bridge世代のCPUパフォーマンスが向上するなど魅力的な点が多い。早速各モデルを画像と合わせてチェックしていこう。
■Z77A-GD65 市場想定売価18,800円前後
■http://www.msi.com/product/mb/Z77A-GD65.html
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Intel「Z77」チップセットを搭載する現行のハイエンドモデル「Z77A-GD65」。市場想定売価は18,800円前後 |
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■Z77A-GD55 市場想定売価15,500円前後
■http://www.msi-computer.co.jp/MB/Z77A-GD55/index.html
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同様にIntel「Z77」チップセットを搭載する「Z77A-GD55」。GD65に性能的にも近く、MSIがメインストリーム向けとして期待するモデルだ。市場想定売価は15,500円前後 |
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■Z77A-G45 市場想定売価13,800円前後
■http://www.msi.com/product/mb/Z77A-G45.html
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「Z77A-GD55」ベースにSLIなどマルチGPU環境を省略した廉価モデルの「Z77A-G45」。市場想定売価は13,800円前後 |
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■Z77A-G43 市場想定売価11,800円前後
■http://www.msi.com/product/mb/Z77A-G43.html
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残念ながら今回は展示されなかったが、Intel「Z77」チップセット搭載モデルで唯一PCIスロットを備える「Z77A-G43」もラインナップ。市場想定売価は11,800円前後 |
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■ZH77A-G43 市場想定売価9,800円前後
■http://www.msi.com/product/mb/ZH77A-G43.html
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Intel「H77」チップセットを搭載する「ZH77A-G43」。PCIを3スロット備える。市場想定売価は9,800円前後 |
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■B75A-G43 市場想定売価8,800円前後
■http://www.msi.com/product/mb/B75A-G43.html
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Intel「B75」チップセットを搭載する「B75A-G43」。PCIをネイティブサポートするのが特徴。市場想定売価は8,800円前後 |
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■Z77MA-G45 市場想定売価12,800円前後
■http://www.msi.com/product/mb/Z77MA-G45.html
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今回発表されたモデルでは唯一のMicroATXモデルとなる「Z77MA-G45」はIntel「Z77」チップセットを搭載。ミリタリークラスには該当しない。市場想定売価は12,800円前後 |
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