CFD販売株式会社(本社:愛知県名古屋市)は2012年5月8日、秋葉原UDX(所在地:東京都千代田区)において、NVIDIA製新型グラフィックスカードを中心とするGIGABYTE製品のメディア向け新作発表会「GIGABYTE Tech Tour 2012 Tokyo」を開催した。4月20日に台湾からスタートして世界を巡ってきたツアーも日本で7カ国目。会場では過激なオーバークロックが施された最強のカスタムグラフィックスカードや、国内未発売の入力デバイスなど注目のデバイスが披露された。
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日本に上陸したGIGABYTE製品の新作発表キャラバン「GIGABYTE Tech Tour 2012 Tokyo」。大迫力の巨大グラフィックスカードも会場に登場した |
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まず冒頭スピーチを行ったのはNVIDIAのChannel Marketing Director, APECを務めるPaul Lui氏。「段違いのスピードアップと消費電力低減を達成したGTX 600シリーズは、ゲーミングシーンに新たな革命をもたらすGPU」と新型GPUの魅力を熱弁。シネマクオリティのゲームプレイを実現するDirectX 11とGTX 600シリーズの組み合わせは、ゲーマーにとってのマストアイテムと表現し、並々ならぬ自信と同シリーズへの期待を語ってくれた。
その後を引き継いだCFD販売株式会社の倉本豊和氏から発表されたのは、最強レベルのオーバークロックが施されたGIGABYTE製Ge Force GTX 680搭載グラフィックスカード「GV-N680SO-2GD」だ。5連装ファンを搭載するその威容には、会場に詰めかけたメディア関係者も大注目。セッション終盤にはNVIDIAテクニカルマーケティングエンジニアのスティーブン・ザン氏によるベンチマークデモも実施され、その高いパフォーマンスの片鱗をうかがうことができた。
その一方で、GIGABYTE本社のSpecialist III Marketing Department Graphics Card Sales & Marketing Divisionを務めるEtien Tsai氏による国内未発売の入力デバイスブランド「Aivia」の製品紹介も行われるなど、密度の高い90分だったといえる。
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GTX 600シリーズの魅力を嬉しそうに語るNVIDIA本社のPaul Lui氏(右)。CFD販売株式会社の倉本氏(左)からは、GTX 680搭載のパワフルOCモデル「GV-N680SO-2GD」が紹介された |
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「GPU Boost」の解説とベンチマークデモを担当したスティーブン・ザン氏(左)。Etien Tsai氏(右)はGIGABYTEの海外展開ブランド「Aivia」の入力デバイスの魅力を説明した |
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■迫力満点な最強オーバークロックモデル「GV-N680SO-2GD」
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3スロットを占有する巨大なグラフィックスカード「GV-N680SO-2GD」。側面に5つのファンを搭載するユニークなデザインだ |
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今回の発表会における一番の“目玉”は、なんといってもGIGABYTE製グラフィックスカード「Super Overclock」シリーズの最新作「GV-N680SO-2GD」だろう。まだ正式クロックをはじめ仕様が未確定という同製品だが、会場に持ち込まれたサンプル機はベースクロック1,137MHz(リファレンス:1,006MHz)、ブーストクロック1,202MHz(リファレンス:1,058MHz)、メモリクロック6,400MHz(リファレンス:6,008MHz)という、リファレンスをはるかに凌駕するスペックで動作していた。
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リファレンスをはるかに超えるクロックで動作しているのが確認できる。右の画像はスティーブン・ザン氏によるデモ時のもので、ブーストクロックが1,241.1MHzまで上昇している |
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「GV-N680SO-2GD」は、8フェーズに強化された高効率な電源回路や大電流を供給するプロードライザの搭載により、通常170Wに設定されている電力ターゲットを大きく超えたGPU Boostを可能にしている。
さらにクロックや消費電力の上昇により発生する熱をパワフルに冷却するのが、3スロットを占有する5連装ファン搭載のモンスタークーラー「WIND FORCE 5X」だ。キングサイズのベイパー・チャンバーから9本の極太ヒートパイプで熱を吸い上げ、巨大なヒートシンクで豪快に冷却する仕様で、騒音値あたりの放熱性能はリファレンスクーラーとは比べ物にならない。まさに「GV-N680SO-2GD」は、冷却・電源供給に大きく左右されるGPU Boostの潜在能力を解放する、強力なグラフィックスカードといえる。
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「GV-N680SO-2GD」のTDPは240Wで、PCI-Express補助電源は8pin+6pin構成。背面には大容量電流を供給し、ノイズを低減するプロードライザを4基搭載する |
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とはいえ、それによるカード本体の重量増も相当なもの。正確な重量は不明なものの、デモ機内に装着されたサンプルはブラケットだけで重さを支えきれず、傾いているのが確認できた。実際に運用する際は、ケース内でカードを支えるようなオプションが必要になるかもしれない。
そして気になる発売時期や価格だが、仕様が未確定ということもあり明確には決まっていない。しかし代理店担当者によれば6月末〜7月の発売を予定しているとのことで、価格も7万円ほどが想定されているらしい。今後の展開に注目しつつ、予定通りの発売に期待したいところだ。
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基板上にはオーバークロック用と思われるスイッチを搭載。カード本体はかなり重く、スロットに負担がかかりそうなくらい傾いている |
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■簡単設定でオーバークロックできる“スマホ”みたいなOCツール「OC Guru II」
会場では、パワーアップしたGIGABYTE製オーバークロックツール「OC Guru II」の制作も合わせて発表された。GTX 600シリーズにも完全対応し、ベースクロックやブーストクロック、電力ターゲットなど幅広い項目を調節、詳細にモニタリングできる。担当者が「スマートフォンのように操作できる」と表現するように、直感的な操作が魅力のようだ。
ただしこちらもグラフィックスカード同様に未確定な部分が多く、UI部分以外は決定していないという。しかしダウンロードによる供給が想定されているようで、実現すれば同社製以外のグラフィックスカードユーザーも広く使用できることになる。6月末の供給を目指しているとのことで、こちらも今後の展開が楽しみな存在だ。
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6月から供給開始予定のオーバークロックツール「OC Guru II」。多彩な項目を直感的に設定できる便利なソフトウェアだ |
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■国内未発売のUSB3.0キーボードなど「Aivia」ブランド製品が初披露
セッションでは海外でGIGABYTEが展開中の入力デバイスブランド「Aivia」の製品2モデルも紹介された。どちらも近日中にCFDより国内販売が開始される予定とのことで、その前に予習しておこう。
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Cherry赤軸を搭載するUSB3.0接続のゲーミングキーボード。設定を登録できるマクロキーを搭載する |
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「Aivia Osmium」は、キーボードでは珍しいUSB3.0インターフェイスのゲーミングキーボード。軽快なCherry社製赤軸スイッチを採用するほか、高速な伝送速度を生かし、入力抜けを防止するアンチゴースト機能を全キーに搭載する。さらにユーザーが設定できるマクロキーを実装し、設定内容は内部メモリに保存可能。内蔵メモリには5つのプロファイルを保存し、スイッチで即座に切り替えることができる。
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本体右上にはプロファイルの切換えスイッチを搭載。側面にはヘッドセットを装着できるミニジャックやUSB3.0ハブを備える |
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「Aivia Krypton」は、35通りものウェイト調節に対応するUSBゲーミングマウス。左右対称のフレームを採用し、利き腕を選ばず使用できる。マウスパッドやシチュエーションに合わせて交換できる2種類のマウスフィート(底面プレート)が付属するなど、ユニークな点が多い。キーボード同様、内蔵メモリに5種類のプロファイルを保存し、ソフトウェアに依存せず使用できる。
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利き腕を選ばないシンメトリーデザインの「Aivia Krypton」。得意のウェイト調節で利き腕に最適化した重心設定も可能だ |
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