日頃たくさんの自作パーツに囲まれてテストを行っているものの、作業用メインPCはごく一般的な構成。120mmファンを搭載するサイドフロー型CPUクーラーが、3年以上休みなく働き続けている。別段これに不満はないが、最高気温30℃超えというニュースがちらほら聞こえてくると、なんとなく熱対策が気がかりになってくる。
そんな6月半ばのある日。「COMPUTEX」もひと段落し、抜け殻のようにぽっかりと空いた時間を利用して、今年こそは愛機の“夏支度”を本気で考えてみようと思った次第。早速編集部の「PCパーツ置き場」を漁ってみるとしよう。 |
|圧倒的主流の空冷クーラーと肩を並べた一体型水冷ユニット
本稿の主旨は休み無く働き続ける“作業用メインPC”の本格的な夏場に向けての熱対策改善だ。CPUクーラーの在庫には事欠かない「PCパーツ置き場」をガサゴソ漁ること30分。さてどのCPUクーラーを使おうかと山のようにある“在庫”から、今回はオールインワンタイプの水冷ユニットをチョイスしてみることにした。
今さら言うまでもないが、ここ数年でメンテナンスフリーのオールインワン水冷ユニットは、自作市場において完全に市民権を得た。この要因は価格の低下もさること、信頼性の向上により水冷導入で誰もが頭をよぎる“水漏れ”の懸念が払拭された事にあるだろう。オールインワン水冷が出始めの頃ならば、さすがに筆者も“お仕事メインPC”にコレを導入する気にはならなかったかもしれない。
これまでエルミタでは幾度となくこのオールインワン水冷ユニットを取り上げてきたが、取り扱いや導入方法はもとより、冷却性能にもなんら不安や違和感はない。今や水冷ユニットは圧倒的主流の空冷クーラーと、ほぼ肩を並べていると言っていいだろう。
|せっかくあるなら使ってみよう 〜CORSAIR水冷を導入〜
新たに“熱対策”を施すならばと導入を決めた水冷ユニット。編集部の在庫を確認すると、なんと8台ものオールインワン水冷ユニットが出番を待っていた。とは言え、全ての製品を比較テストするほど時間はない。そこで今回は、以前検証を行ったCORSAIRブランドの現行モデル「CWCH100」「CWCH80」「CWCH60」の3製品に絞り込んでみた。
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テストを終え、しばらくの間編集部の“在庫置き場”で出番を待っていたCORSAIRのHYDROシリーズ。いずれも昨年発売されたモデルながら、未だに人気は高い |
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選定理由は過去のテストで搭載方法が楽であったこと。さらにオールインワン水冷ユニット普及の立役者であるCORSAIRは、やはり無視できないと考えたからだ。もちろん製造元を辿れば話はややこしいワケだが、メモリと電源ユニットのメーカーだと思っていたCORSAIRが突然水冷カテゴリに食指を伸ばし、今日ここまで身近なものにした貢献者であることは誰もが認めるところだろう。このチョイスに異論はあるまい。
そうと決まれば、早速今回チョイスした3モデルそれぞれの特徴を見ていくことにしよう。
|240mmラジエーター採用「CWCH100」
昨年夏に発売が開始された「CWCH100」は、未だに人気が高い。その理由はオールインワン水冷ユニットでは選択肢が少ない240mmラジエーター仕様であること。PCケースの電源ユニットボトムレイアウト設計が主流になり、その多くはトップ部に240mmラジエーターが搭載できるようになった。水冷の冷却能力を決定付ける最大の要素となるラジエーターは、大容量タイプが望ましく、「CWCH100」はまさにうってつけのモデルというワケだ。
■CWCH100
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CWCH100
2011年8月27日発売
市場想定売価税込14,800円前後(実勢価格税込12,000〜15,000円前後)
製品情報 |
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