|「3DMark 11 Version 1.0.3」
「Lucid Virtu MVP」の「HyperFormance」モードは、アプリケーションさえ対応していれば追加投資なく性能が向上できることから、非常に有用な機能となりそうだ。そこで「3DMark」系ベンチマークを使用してその効果をチェックしてみることにしよう。なお「Lucid Virtu MVP」では、グラフィックカードから出力を行う「d-mode」と内蔵GPUから出力を行う「i-mode」の2つのモードがある。今回は両方のモードで計測を行なった。また検証にはIntel「Core i7-2600K」を使用している。
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3DMark 11 Version 1.0.3 Performance |
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まず「d-mode」と「i-mode」の比較だが、今回の構成ではGraphics Score、総合スコアとも「i-mode」のほうが約2%とわずかだが高い結果となった。少しでも性能を追求するなら「i-mode」を選択するといいだろう。
またグラフィックカード単体と比較するとGraphics Scoreで約43%、総合スコアでも約38%上昇しており、「HyperFormance」モードが非常に有効であることがわかる。ちなみにCore i7-2600Kの内蔵GPUであるIntel HD Graphics 3000はDirectX 11に対応していないが、「HyperFormance」モードを使う上では特に問題はなさそうだ。
|「3DMark Vantage Version 1.1.0」
次にDirectX 10世代のベンチマーク「3DMark Vantage Version 1.1.0」でも計測をしてみることにしよう。
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3DMark Vantage Version 1.1.0 Performance |
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GPU Score、総合スコアともわずかに「i-mode」のほうが高いものの、その差は1%以下で誤差の範囲と言って差し支えない。ただしソフトウェアによる処理であることから、組み合わせるグラフィックカードによってはスコアが異なる可能性も考えられる。「HyperFormance」モードを使用する場合には、実際の環境でテストしてみるといいだろう。
またグラフィックカード単体と比較するとGPU Scoreは約6割、総合スコアでも約4割と大幅にスコアが向上している。正直ここまで性能が向上するとは思っておらず、いい意味で予想を裏切られる形となった。
|消費電力の違いをチェック
「HyperFormance」モードの効果を確認してところで、次に消費電力についてもチェックしておこう。ちなみに、アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時は「3DMark 11 Version 1.0.3」を実行中で最も高い値とした。
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「HyperFormance」モードによる消費電力の違い |
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消費電力は「i-mode」の方が、アイドル時で1.0W、高負荷時で5.9W高くなった。パフォーマンスも「3DMark 11 Version 1.0.3」では「i-mode」のほうが優勢なことから、性能を重視するか消費電力を重視するかで接続形式を選択すればいいだろう。
またグラフィックカード単体時との比較では高負荷時で20W増加しているが、劇的な性能向上とのトレードオフと考えれば十分許容できる範囲に収まっている。
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