UltrabookやIntel 7シリーズ登場による対応マザーボードの増加により、ようやく普及の兆しを見せるmSATA SSD。最近では、CrucialやTranscendなど大手メーカーからも対応製品が登場し、選択肢も着実に増えつつある。そのなかでもいち早くSATA3.0(6Gbps)インターフェイスを備え、最大240GBという大容量モデルをラインナップさせるMemoRight「MS-701」シリーズは、ノートPCの換装用途を中心に海外では非常に人気が高い。
そこで今回はMemoRight(本社:台湾)の国内正規代理店である、有限会社コンフィデンス(本社:神奈川県横浜市)より「MS-701」シリーズの240GBモデル「MRMAD4B240GCDM2C00」を借り受け、その性能と自作PCでの使い所について探って行くことにしよう。 |
|組み込み向け製品を得意とするSSD専業メーカーMemoRight
本題に入る前に、まず日本では少々馴染みの薄いMemoRightについて簡単に紹介しておこう。
MemoRightは珍しくSSDを専業で扱うPCパーツメーカー。2006年に台湾で設立され、社員の約7割がエンジニアという技術力を武器に、組み込み向け、特に航空機や軍事向けアプリケーションなど過酷な環境下で使用される製品を中心に展開。その高い信頼性と耐久性から多くの企業で採用が進み、現在は台湾以外に中国、アメリカ、ヨーロッパにも拠点を構えている。
また最近では「Commercial Series」という、「MS-701」シリーズを始めとしたコンシューマー向け製品にも注力している。組み込み向けのノウハウを生かし、厳しい品質検査を行うことで不良率を減らし、長寿命を実現。さらに1.8インチ、2.5インチ、mSATAなど様々なユーザーニーズに対応する豊富なラインナップを揃えるのも特徴のひとつだ。
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COMPUTEX TAIPEI 2012のMemoRightブース。過酷な状況下での安定動作を実証するデモが多数行われていた |
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|SATA3.0(6Gbps)対応mSATA SSD「MS-701」シリーズ
冒頭でも触れた通り、最近でこそ選択肢が増えたmSATA SSDだが、当初は”mSATAスロット”イコール”HDDキャッシュ”という印象が強く、低容量で転送速度もパッとしない製品ばかりだった。そんな中、いち早くSATA3.0(6Gbps)対応による高速転送と最大240GBという大容量をラインナップさせた「MS-701」シリーズはまさに注目の製品だ。
容量は30GB、60GB、120GB、240GBの4モデルが用意され、コントローラは定番のSandForce「SF-2281」。これにパフォーマンスに定評のあるMicron製Synchronous MLCを組み合わせ、公称値でシーケンシャル読込550MB/sec、書込500MB/sec、4Kランダム書込24,000 IOPSという高い性能を実現。さらに0℃〜70℃の広い動作温度範囲や、210万時間を誇るMTBFから品質や耐久性にも期待できる。
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CrystalDiskInfo 5.0.0の結果。総書込量やSSD温度が正確に取得できる点はいかにも組み込み向けを得意とするMemoRightらしい製品だ |
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基板表面に実装されるのは、定番コントローラのSandForce「SF-2281」とMicron製Synchronous MLC NAND |
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NANDフラッシュは基板裏面にも2枚実装されている |
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