AMDの28nmプロセス世代GPU Radeon HD 7000シリーズの“アッパーミドル”クラスとして3月19日に登場したHD 7800シリーズの発売から早1ヶ月。幅広い層のゲームユーザーに訴求できるクラスとあって、メーカー各社も発売時から積極的にオーバークロックモデルやオリジナルクーラー搭載モデルをリリースしてきた。
今回取り上げるのは、その激戦区の中で上位に位置付けられるAMD Radeon HD 7870を搭載するGIGABYTE TECHNOLOGY(本社:台湾)製グラフィックスカード、「GV-R787OC-2GD」。アキバでの販売解禁では先陣を切っての登場となった、オリジナルクーラー「WINDFORCE 3X」を装備するオーバークロックモデルだ。CFD販売株式会社(本社:愛知県名古屋市)の協力により借り受けたサンプルで、早速Radeonの新たなミドルレンジモデルの実力と、その優れたオリジナルクーラーのポテンシャルをチェックしていこう。 |
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GIGABYTE「GV-R787OC-2GD」。市場における実勢価格は37,000円前後 |
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|コストパフォーマンスに優れるアッパーミドル、HD 7800シリーズ
Radeon HD 7800シリーズは、先行して市場に投入されたハイエンドクラスHD 7900シリーズと、ミドルクラスHD 7700シリーズの間を埋める存在として登場が待たれていたアッパーミドルクラスのGPUだ。
性能の指標となるストリームプロセッサ数はHD 7700シリーズの倍に増強されたほか、メモリインターフェイスは128bitから256bit、メモリ容量も1GBから2GBへ強化されている。さらにHD 7870にいたっては最上位HD 7970(925MHz)を上回る1GHzのコアクロックで動作するなど、そのコストパフォーマンスの高さは魅力的だ。大多数の現行ゲームが快適に動作することから幅広いゲーマーの支持を集める“美味しい”クラスでもあり、PCI-Express 3.0世代のGPUの中でも注目の存在といえるだろう。
なお、シリーズ内の性能比較はこちらの発表記事に詳しいので、参照していただきたい。
|高性能大型クーラー「WINDFORCE 3X」を搭載する「GV-R787OC-2GD」
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AMD Radeon HD 7870搭載グラフィックスカード「GV-R787OC-2GD」。大型のオリジナルクーラー「WINDFORCE 3X」を装備するオーバークロックモデルだ |
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さて、ここで今回のテーマとなるRadeon HD 7870グラフィックスカード「GV-R787OC-2GD」をご紹介しよう。まず目に飛び込んでくるのは、もはやGIGABYTE製グラフィックスカードの上位モデルにはお馴染みとなった3連装ファン搭載のオリジナルクーラー「WINDFORCE 3X」。特殊形状のクリップとフィンの組み合わせで乱気流の発生を抑え、放熱効果を高めたTriangle Coolテクノロジーを採用するのが特徴の高性能クーラーだ。
そして「GV-R787OC-2GD」はその高い冷却性能力を生かし、コアクロックを1,100MHz(リファレンス1,000MHz)に高めたオーバークロックが施されている。それ以外はリファレンス準拠のスペックで、ストリームプロセッサは1,280基、メモリバス幅は256bitで、メモリクロック4,800MHzのGDDR5 2GBメモリを実装する。
外部出力はDVI-I×1、HDMI×1、mini DisplayPort×2が用意され、6pin×2のPCI-Express外部電源が必要となる。推奨搭載電源は500W。
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