2010年11月リリースの「GeForce GTX 580」以来、実に1年4ヶ月ぶりに登場したNVIDIA製ハイエンドGPU「GeForce GTX 680」。NVIDIAでは初めて28nmプロセスを採用し、アーキテクチャもFermiからKeplerへと刷新。性能の向上に加えて、消費電力も大幅に改善されており、ファンにとってはまさに待望の製品だ。実際に解禁直後は品薄で入手が難しい状態が続き、発売から1ヶ月ほど経過した現在でもその売れ行きは好調とのこと。
そこで今回は気になる「GeForce GTX 680」の性能を確認するため、ZOTACの国内正規代理店である株式会社アスク(本社:東京都千代田区)の協力により、リファレンスモデル「ZOTAC GTX680 2GB DDR5」(型番:ZTGTX680-2GD5NVTR001/ZT-60101-10P)を借り受けじっくりとチェックしていくことにしよう。 |
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3月22日22時00分に解禁された「GeForce GTX 680」を搭載する「ZOTAC GTX680 2GB DDR5」 |
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|GeForce GTX 580の2倍のワットパフォーマンスを実現したGeForce GTX 680
「GeForce GTX 680」(以下、GTX 680)は、これまでの「Fermi」から「Kepler」へとアーキテクチャが刷新され、GPUの中核を担う「Streaming multiprosessor」(SM)の構成が大きく変更されている。
FermiアーキテクチャのSMは、上位モデルのGF110コアで32基、下位モデルのGF114コアでは48基のCUDAコアで構成される。一方、Keplerアーキテクチャでは、SMあたりのCUDAコア数が192基へと大幅に増量され、名称も「Streaming Multiprocessor eXtreme」(SMX)へとリニューアルされた。ちなみにGTX 680ではこのSMXを8基搭載することから、CUDAコアの総数は「GeForce GTX 580」(以下GTX 580)の512基から3倍の1,536基へと拡張されている。
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GeForce GTX 680のダイアグラム。192基のCUDAコアからなるSMXを8基搭載する |
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また製造プロセスも40nmから28nmへと微細化され、トランジスタ数はGTX 580の30億から35億へと増加。にもかかわらず、ダイサイズは358平方mmから294平方mmへと縮小され、TDPも244Wから195Wへと大幅に削減されている。
NVIDIAによれば、これらの改良を施したGTX 680のワットパフォーマンスはGTX 580の2倍に高められているということだ。
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先代のハイエンドモデルGeForce GTX 580から最大2倍のワットパフォーマンスを実現 |
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もうひとつ注目のトピックにGPUを動的にオーバークロックする「GPU Boost」がある。これはIntel「Turbo Boost」やAMD「Turbo CORE」のGPU版といえる機能で、TDPに余裕がある場合にGPUコアを自動的にオーバークロックしてパフォーマンスを向上する。そのためGTX 680では標準動作クロック「ベースクロック」に加え、オーバークロック動作「ブーストクロック」の2種類が設定されている。ちなみにブーストクロックはあくまでも目安となる数値で、TDPに余裕があるアプリケーションではより高いクロックで動作する。
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TDPに余裕がある場合、動的にGPUクロックを向上する「GPU Boost」機能 |
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GPU |
GTX 680 |
GTX 580 |
GTX 480 |
GPUコア |
GK104 |
GF110 |
GF100 |
DirectX |
11 |
11 |
11 |
製造プロセス |
28nm |
40nm |
40nm |
CUDAコアプロセッサ数 |
1,536基 |
512基 |
480基 |
GPUコアクロック |
1,006MHz |
772MHz |
700MHz |
ブーストクロック |
1,058MHz |
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--- |
シェーダクロック |
--- |
1,544MHz |
1,401MHz |
メモリタイプ |
GDDR5 |
GDDR5 |
GDDR5 |
メモリバス幅 |
256bit |
384bit |
384bit |
メモリクロック |
6,008MHz |
1,536MHz |
1,536MHz |
メモリ容量 |
2,048MB |
4,008MB |
3,696MB |
ボード最大電力 |
195W |
244W |
250W |
PCIe外部電源 |
6+6pin |
8+6pin |
8+6pin |
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|GeForce GTX 680を搭載したリファレンスモデル「ZOTAC GTX680 2GB DDR5」
今回の検証に用意したグラフィックスカードは「ZOTAC GTX680 2GB DDR5」(型番:ZTGTX680-2GD5NVTR001/ZT-60101-10P)だ。
ZOTACは、グラフィックスカードやMini-ITXマザーボードを得意とするPCパーツベンダーで、中でもグラフィックスカード製品は一貫してNVIDIAのGPUにこだわっている。そのラインナップも豊富で、コストパフォーマンスに特化されたモデルから、オーバークロック向けのハイエンドモデルまで幅広く揃う。さらに、以前エルミタでも紹介した「GeForce GTX 560 Multiview」のような、独自技術を採用した製品も投入するなど技術力の高さにも定評があり、NVIDIA製グラフィックスカードを購入する際の候補に挙がる大手ベンダーだ。
では「ZOTAC GTX680 2GB DDR5」のスペックを確認しておこう。動作クロックはコアベースクロック1,006MHz、ブーストクロック1,058MHz、メモリクロック6,008MHzでいずれもリファレンス仕様。VGAクーラーも2スロット占有のリファレンスタイプを搭載している。また出力インターフェイスはDVI-I×1、DVI-D×1、HDMI×1、DisplayPort×1を備え、4画面出力にも対応する。
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GPU-Z 0.6.0でスペックを確認。ベースクロック、メモリクロックに加えてブーストクロックが表示されている |
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ZOTAC GTX680 2GB DDR5 |
GPU |
NVIDIA GeForce GTX 680 |
コアベースクロック |
1,006MHz |
ブーストクロック |
1,058MHz |
シェーダ数 |
1,536基 |
メモリクロック |
6,008MHz |
ビデオメモリ |
GDDR5 2,048MB |
メモリバス幅 |
256bit |
出力インターフェイス |
DVI-I×1、DVI-D×1、HDMI×1、DisplayPort×1 |
VGAクーラー |
2スロット占有リファレンスタイプ |
バスインターフェイス |
PCI-Express3.0(x16) |
補助電源 |
6pin×2 |
外形寸法 |
W111.15×L254×H35.05mm |
付属品 |
ドライバCD
DVI-D-SUBアダプタ
6ピン電源ケーブル×2
TrackMania 2 Canyon 3デイゲームパス
ZOTAC Assassin's Creed 3ゲームパック
ユーザーマニュアル |
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