2018.03.25 00:00 更新
2018.03.25 取材
ガジェットライフにどっぷりハマる、ギークな野郎は毎日何を考えている?「ギークの殿堂」でお馴染みなアノ人が、スマホやデバイスのアレコレから、業界事情やオトクな契約プランに至るまでを徒然に語る。今回のテーマは、もはや“ただの安物”とは言えなくなってしまった、高機能化する格安スマホの展望だ。
今のお店(イオシス)に入ったのが3年前、その頃は1万円でまともなSIMフリースマホが買えるなんて、夢のまた夢だった。買えたとしても、せいぜいが3G対応の中古モデル。スペックも低いものがほとんどで、サクサク動く低価格モデルは皆無といっても過言ではなかったように思う。
もう安かろう悪かろうという時代はお仕舞い?低価格なのに優秀なモデルが買えるようになった、格安スマホ事情のこれからを考えてみよう |
それが今や1万円もあれば、Android 6.0を搭載したLTE対応のSIMフリースマホ(しかも未使用品)が当たり前に手に入る。そしてやってきた2018年。市場を眺めてみると、早くも今年の新しいトレンドのようなものが見えてきた。
以前にギークの殿堂でも紹介した、“gooのスマホ”の「g07」をちょっと思い出してみよう。2017年に最も低価格なDSDS対応モデルとして話題になったこのスマホ、その完成度にはかなり感心させられた。今年も後継モデルの「g08」が発売されているが、これまた新たな話題を集めそうな、注目モデルになっている。
DSDS対応なのに激安だった、驚きの格安スマホ「g07」の後継モデル「g08」。今年の低価格モデルにおける、トレンドになりそうな要素が詰まっている |
特筆すべきは、デュアルSIM+microSDが挿せる3スロット仕様だ。モトローラをのぞくDSDS対応スマホは、基本的にmicroSIMとmicroSDが排他利用になっていて、DSDSと大容量ストレージの両立ができなかった。
この点を不便に思っていたユーザーは多かったハズだが、「g08」では見事に改善。メモリ4GB+ストレージ64GBとハイスペックで、ダメ押しにドコモだけでなくau VoLTEも使えてしまうから優秀だ。それでいて販売価格は、税抜16,800円と非常に安い。発売当時の記念特価なら税抜6,800円、キャンペーンをうまく使えばもっと安く購入することも可能だった。
アスペクト比18:9のフルHD液晶や4GBメモリを搭載する、上等なスペック。もちろんDSDS対応で、microSDの同時利用も可能な3スロット仕様になっている |
もう一つトレンドになりそうなのが、デュアルカメラだ。2016年の「HUAWEI P9」で一躍話題になった機能で、当然ながら当時はハイエンド機種にしか備わっていなかった。その流れが、今年はついに低価格スマホにも及んでいる。
まず挙げておきたいのが、同じくファーウェイの「HUAWEI nova lite 2」だ。撮影後にボケ味を調整できる機能を標準装備、さらに18:9比ディスプレイや2.5Dラウンドボディと、高級機顔負けの機能とスペックを備えている。DSDSではないものの、ドコモとau、ソフトバンクの全主要キャリアで使える点も便利だ。期間限定の特価とはいえ、一時期8,000円で売られていたスマホには、とても見えない。
ライカとコラボしたデュアルカメラが話題を集めた、ファーウェイの「HUAWEI P9」。日本市場での立場を確立する上で、記念碑的なヒット作に | ファーウェイから今年発売された、ミドルレンジの新星「nova lite 2」。最新のトレンドをしっかり押さえた、お値段以上の性能をもっている |
そしてASUSも負けていないな、と思わせる佳作が「ZenFone 4 Max」。大容量バッテリーがトピックの「ZenFone MAX」シリーズ最新版だ。こちらもデュアルカメラを備えているのはもちろん、先ほど話題に上がったDSDS+microSDの3スロットも搭載している。それでいて価格は2万円強と、お値段以上なクオリティは魅力的に映る。
ちなみに同じく3スロットスマホの「g08」も、セルフィー用のフロント側がデュアルカメラ。最近の格安スマホは、本当にスゴい。
充電を忘れて使いまくれる、大容量スマホの「ZenFone 4 Max」。バッテリーだけでなく、デュアルカメラや3スロット仕様など、魅力的な機能が揃っている |
価格は据え置きながら年々スペックが改善されていく、格安スマホの低価格モデル。毎年その進化に注目してきたが、今年の変貌ぶりには特に目が離せない。DSDS+microSDの3スロット、そしてリア・フロントカメラどちらかのデュアルレンズ対応。1~2万円台で買えるモデルなのに、便利かつご立派な機能が使えてしまう。今年はこうしたスマホが続々登場しそうな、そんな気配がする。
1~2万円程度の低価格帯でも、かなり多機能なモデルが買えるようになった格安スマホ。今年はさらなる進化が期待できそう |
ハイエンドモデルの10万円超えも増えてしまい、個人的にも買い控えモードになっている今日このごろ。低価格なものにどこまで感動できるか、という新しい遊びを開拓したくなるような、そんな1年になりそうだ。
文: 太田 文浩(イオシス アキバ中央通店)