2018.06.06 09:20 更新
2018.06.06 取材
ASUSTeK Computer(本社:台湾)がブースに持ち込んでいた、「ROG DOMINUS」なるマザーボードが面白そうだ。どうやら発売予定はないようだが、その異形の構成は何を動かすためのモノなのか?
通り過ぎようとして、つい見入ってしまった参考出展のマザーボード「ROG DOMINUS」。この“搭載物”の仰々しさはどうだろう |
ブースの“勝手口”にほど近い、展示フロアの片隅にひっそり鎮座していたのが、「ROG DOMINUS」というマザーボードを搭載していたマシンだ。ケース内部を覗き込んでみると、小口径の冷却ファンを複数搭載するなど、およそ只者ではない雰囲気を漂わせている。
超大型のマザーボードながら、搭載CPUは1基のみ。水冷仕様の“謎のCPU”は、なんとCINEBENCHベンチ6000超えで動作していた |
搭載CPUについて担当者に尋ねてみたところ、「ノーコメント」というつれない返答。ただしシングルCPUにも関わらず、(半ば隠されている)CINEBENCHのスコアが6000オーバーを叩き出しているなど、驚異的なパフォーマンスをもっていることは分かる。しかもオーバークロック動作ではなく、あくまで定格で動かしてのスコアという。
折しもIntelが同日の基調講演にて、28コアを搭載するCascade Lake-Xと見られるCPUのデモを行ったばかり。圧倒的なベンチスコアや、こうした“厳戒態勢”から察するに、どうやら「ROG DOMINUS」に積まれたCPUにも見当がつきそうだ。
MOSFETなど電源周りの冷却は、大型ヒートシンクと冷却ファンを合計4基備える重装備。スペック表を見たところ、どうやら16フェーズの電源回路が搭載されているらしい |
おそらく電源レギュレータを冷却していると思われる、独立ヒートシンクと2基の小口径ファン。そのすぐ下には、ASUS独自の自動OCチップ「TPU(TurboV Processing Unit)」が実装されていた |
ちなみに「今は定格動作のようだが、オーバークロックはできるのか」という質問に対しては、「これがROGのマザーボードであることからも、お分かりでしょう」と自信満々。16フェーズものデジタル電源回路や、2系統用意された24pin電源コネクタなど、“謎のCPU”に強力なオーバークロックを施す装備が揃っているようだ。
ただし発売予定はまったくないとのことで、いわば技術評価サンプルに近いモデルらしい。サイズも14インチ四方と超巨大、またどこかのイベントで再会することがあるだろうか。
そのほか、グラフィックスに水冷・空冷ハイブリッドの「ROG-POSEIDON-GTX1080TI-P11G-GAMING」、メモリはG.SKILLの「Trident Z」シリーズなどが組み込まれていた |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
ASUSTeK Computer: https://www.asus.com/
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