2018.06.12 16:01 更新
2018.06.12 取材
Vortexgear(本社:台湾)とMISTEL co,.Ltd(本社:台湾)の共同ブースにて、Cherryが現在製品化に向けて開発を続けている「CHERRY MX Low Profile RGB」搭載モデルがさり気なく展示されていた。メカニカルスイッチ最大手が繰り出した新型スイッチ、この機会にじっくり観察してみよう。
Cherryが現在開発を進めている、新型のロープロファイルスイッチ。すでに基本的な技術は完成、1月の「CES 2018」でお披露目されている |
「CHERRY MX Low Profile RGB」は、今年1月にCherryが「CES 2018」にて発表した新型メカニカルスイッチだ。その名の通りロープロファイル仕様の設計ながら、Cherryいわく「Cherry MXの特徴をすべて備えている」スイッチだという。
キースイッチの全高は、Cherry MXの18.5mmから11.9mmへと縮小。台形型で背が高かったハウジングは、まるで潰されたように背が低い四角形状に変更されている。フラットデザインのデスクトップキーボードおよびノートPC向けを想定、実におよそ6割程度に高さが抑えられることになった。
スイッチの外形寸法はW15×D15×H11.9mmで、全高は約6割程度に。LEDは基板上に実装され、クリアタイプのハウジングを透過して光る仕様になっている |
また、ロープロファイル化にともない、アクチュエーションポイントは従来の2mmから1.2mmに短接点化。全体のストロークも4mmから3.2mmへと短縮された。荷重は45gで、軸のカラーから察することができる通り、Cherry MX赤軸と同じ特性をもつスイッチとして設計されている。実際の感触も赤軸に準拠したものだった。
ただしCherry側でのスイッチ開発はやや遅れているようで、実際にいつ頃搭載モデルが市場に投入されるかは分かっていない。中国のKaihuaやTesoroにスイッチを供給しているTTCなど、複数メーカーが先行でロープロファイルスイッチを市場に投入しているだけに、何やら新しい潮流が生まれつつある予感がする。
スイッチに合わせてキーキャップもロープロファイル化。Cherry MX用のキャップとは違いが一目瞭然、さらに既存キャップは新型スイッチに流用できない事情があるとか |
なお、「CHERRY MX Low Profile RGB」の開発に合わせ、キーボードメーカー側も新しいキーキャップの開発に追われている。ハウジングが四角形状に変わった影響で、従来型キャップではハウジングにはまり込んで外れなくなるらしい。実際に装着してみて欲しいとオーダーしてみても、「本当に外れなくなるからダメだ」(担当者)と真剣そのもの。新形状のキーキャップはスイッチ同様ロープロファイル仕様になっているが、それにはハウジングとの干渉を回避するという目的もあるようだ。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
MISTEL: http://www.mistelkeyboard.com/
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