2019.05.31 12:00 更新
2019.05.31 取材
複数のキーボードメーカーが集合していた密度の濃いブースの一角で、LEOPOLD(本社:韓国)が静電容量無接点方式の新型キーボードを用意していた。すでに国内向け展開も決まっているというこのモデル、ちょっと変わったスイッチを採用しているようだ。
LEOPOLDから近く市場に投入される、静電容量スイッチ搭載キーボード。従来モデルとは違うスイッチが採用されるらしい |
LEOPOLDといえば、かつてアーキサイトが取り扱った静電容量スイッチ搭載のコンパクトキーボード「FC660C」シリーズを思い出す人が多いだろう。「REALFORCE」で知られる東プレ製のスイッチを採用した、省スペース配列の秀作。そのLEOPOLDから、近く新たな静電容量スイッチ搭載キーボードがリリースされる。
会場に持ち込まれた新モデルの「FC660PT」は、外観だけなら「FC660C」と変わらない。ただし搭載スイッチが変更されており、担当者によれば「今はまだ明かせないが、東プレではない日本メーカー製のスイッチが採用されている」という。
筐体デザインは、コンパクトなサイズ感と実用性を兼ね備えた「FC660C」シリーズを踏襲している |
東プレ製ではないという、日本メーカー製の静電容量スイッチを搭載。キーキャップの直下にスプリングが仕込まれていた |
早速そのスイッチを確認しようとキーキャップを外したところ、すぐ下から現れたのはスプリング。ハウジングとキャップの間に仕込まれたこの「Reset Spring」がスイッチの押下特性を決定しており、交換することで手軽に荷重を変えることができるという。
標準のスプリングは荷重40gに調整されており、試し打ちした感触は東プレの静電容量スイッチに近く、柔らかさとしっかりしたタクタイルが味わえた。LEOPOLDはその交換用として、50~55g程度のスプリングをオプションで販売する構想をもっており、想定の価格は全キー分のパッケージで約1,000円前後という。
すべてを重めに変えるハードパンチャー向けのカスタムはもちろん、指先で特定キーを判別できるように偏荷重仕様にアレンジするのもアリだろう。
スイッチの押下特性を決定しているのがスプリングで、これを交換することで荷重を変えることができる。スプリングは圧力やサイズが細かく調整されており、交換用セットがオプション販売される予定だ |
底部に加え、チルトスタンドにもグリップを備えた滑りにくい仕様。特定キーを入れ替え可能なDIPスイッチも搭載している |
なお、キーキャップには熱や油分に強く、耐久性に優れたPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂を採用、摩耗しにくい昇華印刷で刻印される。キーキャップはCHERRY MX互換形状のため、市販の交換用キャップを使用することも可能だ。
すでに国内向け取り扱いが決定しており、7月上旬を目処に2万円以下の価格で日本語配列モデルが発売される予定(英語配列は検討中)。ちなみに国内モデルについては、LEOPOLDではなく国内代理店アーキサイトのARCHISSブランドから発売されるようだ。
交換用スプリングを含め、国内向け展開が決定している。交換用の荷重はまだ決まっていないようだが、詳細は7月の正式リリースを待とう |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
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