2020.06.02 00:51 更新
2020.06.01 取材
Thermaltake Technology(本社:台湾)は、出展が見送られることになった「COMPUTEX TAIPEI 2020」に代わり、オンライン発表会の「2020 Thermaltake Expo」を6月2日から開催する。本稿では、発表された注目の新製品の中でも、最も多くのラインナップが投入されるPCケースを特集しよう。
新型コロナウイルスの世界的な流行が続く中で、今年のCOMPUTEXへの出展見送りを決めたThermaltake。用意していた新製品をオンライン発表会で披露する |
Thermaltakeが、9月への延期が告知されていた「COMPUTEX TAIPEI 2020」への出展見送りを決定。その代替となる新製品発表の場として、6月2日よりオンライン発表会の「2020 Thermaltake Expo」を開催することになった。
6月2日から4日にかけて、YouTubeとFacebookにてライブ配信が行われる「2020 Thermaltake Expo」 |
そもそもThermaltakeは、COMPUTEXを「世界中のメディアと触れ合い、新製品やコンセプトモデルの魅力をダイレクトにユーザーに届けてもらうための、年間を通して最も重要なイベントの一つ」と位置付けており、出展見送りは苦渋の決断だった。
しかし新型コロナウイルス感染症の全世界的な収束が見通せない中で、「現実的に参加できる国のメディアが限られてしまう」こと。さらに新製品の情報をいち早く届けたいという思いから、今年は同社初となるオンライン発表会として一般公開(特設サイト)されることになった次第だ。
解説セッションは、同社の日本セールス&マーケティング担当マネージャー江崎氏が進行。COMPUTEXへの思い入れとともに、新製品の詳細を語ってくれた |
そして発表会に先立ち、世界中からテック系のメディアが参加するメディア向け説明会のVVIP DAYが開催。日本からはエルミタ編集部が招待され、新製品の数々を一足先に目にすることができた。早速その模様をお伝えしていこう。
DIY水冷と相性の良いオープンフレームケースのようだが、リザーバータンクが見当たらない「DistroCase 350P」 |
PCケース特集のトップバッターは、DIY水冷のためのオープンフレームケース「DistroCase 350P」だ。メインフレームが丸ごとプレート状のポンプ一体型リザーバーになっており、クーラントの動きをダイレクトに堪能できる一方で、整理されたDIY水冷マシンを構築できるメリットがある。
昨年にプロトタイプが「Distro Plate Open Frame」として持ち込まれた際には、プレート状のリザーバーに直接パーツがマウントされていただけだった。しかし製品版では、強化ガラスパネルを組み合わせた、従来のThermaltakeらしいデザインに回帰。強度の不安も解消され、優れた外観と実用性を兼ね備えたオープンフレームケースが完成した。
巨大なポンプ一体型リザーバーをメインフレームとして使用するという、大胆な設計。その上下には、クーラントの注入と水抜きがしやすいように、上下に注入口・排出口が設けられている |
徹底して水漏れ対策にこだわったという48mm厚のポンプ一体型リザーバーは、接合部を含め水圧に負けない構造になっている。リザーバーとしての容量は、ちょうどクーラントのタンクが使い切れる1リットル。上下には合計48灯(24灯+24灯)のアドレサブルRGB LEDが内蔵され、巨大なイルミネーションボードとしても機能する。
グローバルでは6月中にも発売される予定で、日本市場には早ければ9月にも登場する。大掛かりな水冷機構を備えていることから、価格は6万円台後半になる見込みというが、はたして。
外形寸法は幅260mm、奥行き660mm、高さ626mmという巨大ケース。480mmラジエターを複数搭載できるなど、思い通りの魅せるパーツを余さず組み込める設計になっている |
続く大物ケースの新作は、「Core P」シリーズの最上位モデルとして投入される「Core P8 TG」。フロント・ボトムと左右の4面に強化ガラスを採用したクローズドタイプに見えて、実は全面が脱着可能なモジュラー仕様という、フルタワー型のオープンフレームケースだ。
圧倒的な搭載能力をそのまま魅せるスタイルで、冷却ファンは最大18基、水冷ラジエターは480mmサイズを複数搭載できる。各種パーツを組み込んだ際の重量は50kg以上に達するが、なんと「Core P」シリーズの伝統でもある壁掛けにも対応するという。
四方を覆っている5mm厚の強化ガラスは、容易に脱着できるフルモジュラー式。右側パネルには、壁掛けも想定したマウント穴を備えている |
こうしたDIY水冷向けの大型PCケースには根強い需要があるとのことで、グローバル向けに今月発売予定。国内発売の予定もあり、その際の価格は2万円台半ばを想定しているようだ。早ければ9月にも店頭に並ぶかもしれない。