2021.11.10 00:00 更新
2021.11.10 取材
自由でユニークな発想から生まれる、スタートアップの気になるガジェットをチェックする「次に来るモノ」。今回は、ボールベアリングを触って時間を知ることができる触覚ウォッチ「Eone Switch」を見ていきましょう。
前回は“文章を読む時計”という珍しいスタイルの時計をご紹介しましたが、実は今回も時計が主役です。ただしアプローチはまったく違っていて、この「Eone Switch」は“触る時計”。スタートアップ系では人気のカテゴリとあって、実に色んなタイプの時計があるもんです。
このガジェットを手がけたのは、アメリカ・ワシントンの時計メーカーEone(イーワン)。例によってパッと見ではどう使うか分からないわけですが、メタリックで非常にオシャレな外観には、それだけで惹かれるものがありますね。ちなみにKickstarterにおけるキャンペーンでは、すでに目標金額を調達して製品化が決まっています。
それでいったいどうやって時間を知るかですが、「Eone Switch」が採用している象徴的な“ボールベアリングシステム”に答えがあります。外周と中心部分にボールが付いていて、外周の大きなボールが通常の時計で言う時針に、中央の小さなボールが分針になっているという次第。文字盤とこれら2つのボールを触ることで、いまの時刻が分かるという仕組みですね。まさに“触る時計”。
ウォッチには強力なマグネットが仕込まれていて、外周のボールは1時間で1周、中心のボールは1分間で1周スルスルと移動していきます。円型に見える文字盤は、実は丸みを帯びた六角形になっていて、より触感による時刻の把握がしやすくなっているのだとか。
ちなみにコンセプトからお察しの方もいると思いますが、元々このウォッチは目の不自由な人向けにデザインされたものです。従来の視覚障害者向け時計は、音で時刻を知らせるタイプか、あまりオシャレではない触るタイプの時計という2択。そこで「目が見えなくても見えていても、身につける人にスタイルを選ぶ自由を手にしてもらいたい」という想いから、こうした洗練されたデザインの時計が生み出されたのだそうです。
なお、ウォッチのケース素材は頑丈かつ衛生的な316Lステンレススチールで、ムーブメントはスイスのロンダ社製クォーツを搭載。文字盤は好みに合わせて使い分けられる2タイプが付属していて、ワンタッチでカチャッと入れ替えが可能。カラーはBlack/Silver/Rose Goldの3色からチョイスできます。
さてそんな「Eone Switch」のキャンペーンは、2021年11月20日00:50(日本時間/UTC+09:00)まで。出資額は295ドルから、期間はあと10日ほど残っています。障害のあるなしに関わらずオシャレに使える時計、暇があればボールと文字盤をいじってしまいそうな楽しさは、実際に味わってみたい気がしますね。
文: 編集部 絵踏 一
Kickstarter: https://www.kickstarter.com/
Eone: https://www.eone-time.com/