2021.12.23 12:00 更新
2021.12.23 取材
【第100回】暑さと寒さ、午前中に弱いアキバ取材班Bが、秋葉原のショップ店員にコッソリ聞いた、オススメの飲食店を紹介する「アキバのごはん」。今回は、師走の忙しさの合間を縫って、アキバならではの買い食いフードを食べ歩くことに。いつの間にかもう100回目?
徒然なるままにアキバで食べたごはんを紹介していく箸休めコーナー、気が付けばもう100回目ですよ。途中コロナで2度ほど中断を挟んでいるんですが、おかげさまで色んなお店を知ることができました。しかしながら何かとバタバタ忙しくなってしまう師走のこと、つい前週はリサーチをサボってお休みしてしまった次第。その代わりと言ってはなんですが、ちょうどいい機会なので手早く食べられるアキバならではの買い食いフードを物色していこうと思います。
手早く気軽に食べられるアキバフードときたら、やはり「万かつサンド」は外せません。少し前に“肉ビル”こと自社ビルの売却話が話題になったりしましたが、その後も元気に営業している肉の万世。入り口の万かつサンドコーナーはなくなっても、1階にあるローソン・スリーエフとのコラボ店舗で24時間「万かつサンド」が買えます。さらに道路を挟んだ向かい側、ラジオガァデンにも自販機(直売所)があるんですよ。
自販機の方はまだ利用したことがなかったので、今回はそちらにGO!当然ながらお値段は同じです。なにやら一緒に「おでん缶」も売っているようですね。
750円で「万かつサンド」を購入。一応小さなテーブルが併設されているんですが、結構人通りが多いのでマーチエキュート横のベンチに避難して食べることにします。揚げたてのロースかつに秘伝の濃厚ソースをかけて、きめ細かいパンで挟み込んだお馴染みの一品。ソースや油をパンがうまい具合に吸ってくれるところがグッド、非常に一体感のある贅沢なサンドイッチだと思います。冷たいままでもしっかり美味しくて、食べごたえがありますね。
・・・しかしその日はメチャ寒かったので、さすがに屋外で冷たいサンドだけでは厳しい。何か温かいものが食べたいなぁと思ったら、そういえばさっき「おでん缶」が売っていたじゃないですか。
もっともラジオガァデンの自販機は常温販売のようなので、せっかくなら温かい「おでん缶」が食べたい。それならばと、「おでん缶」の“聖地”としてお馴染みなチチブ電機ビルの自販機に向かうことにしました。
いまでこそすっかりグルメな街になっているアキバですが、かつては飲食店が比べ物にならないほど少なく、手早く食べられる温かい「おでん缶」は特別な存在でした。アキバ土産としてヒットしてからは、月に5~6万個売れたときもあったとか。チチブデンキが2015年5月に店舗営業を終了する際、小菅会長にいろいろ昔話をお聞きした時のことを思い出します。
2015年当時のチチブ電機ビルと、同社の小菅会長 |
そして自販機にて「おでん缶」の「がんも 大根入り」を購入、お値段は320円です。しかしこのまま路上で食べるわけにもなぁということで、ローソンでからあげクンを購入したついでに箸を調達。座って食べられる芳林公園まで歩くことに。忙しいとか言っていたのは、いったい何だったんでしょうか。
ところが公園に着いたタイミングで、折り悪く急に土砂降りに。とても落ち着いておでんを食べていられる状況ではなく、「おでん缶」は帰宅後にいただくことになりました。しかし買った直後に食べた際に実感したことですが、缶詰と侮ることなかれ。食べ頃温度で味も“ちゃんとおでんしてる”んですよね。大根はじめ基本セットの具が揃っていて、出汁のしみたつゆが胃に染み渡ります。こんにゃくに串が通っているあたりも芸が細かい。寒い時に食べる満足度はかなり高めだと思います。
しかし結局食いはぐれてしまったのは同じなので、日が落ちてくるとお腹がすいてきます。そんな時は、アキバのあちこちで買える「ケバブ」(厳密にはドネルサンド)で決まりですね。1999年頃にキッチンカーの路上販売で始まったアキバのケバブですが、いまやかなり広範囲にお店が展開され、すっかりお馴染みのアキバフードに。固定店舗ができた当初は、エキゾチックな雰囲気に押されてか、ちょっと勇気を出して買いに行ったのを覚えています(笑)。
パーツ通りにある「スターケバブ アキバテラス」にて、気のいい店員さんに声をかけて700円で「ビーフラップ」を購入。さすが遅めな時間だけあって、ドネルケバブ(回っている肉)もだいぶ薄くなっています。辛くないソースをオーダーして、すぐ横のベンチでムシャムシャ。冷静に値段を考えると普通にランチ一食分はするわけですが、ぎっしり詰まった肉とバランスよく入った野菜、それを包むトルティーヤのボリュームは結構なもので、腹ごしらえには十分です。食べ終えるまで5分とかかりませんし、手早くお腹を満たせるケバブは急いでいる時の鉄板ですね。
…などと、こんな具合で満足して帰路につくことに。おそらく年明けになるであろう101回目以降も、これまでと変わらぬテンションで「アキバのごはん」を食べ歩いていこうと思います。
文: 編集部 絵踏 一