2022.12.04 10:00 更新
2022.12.04 取材
株式会社サードウェーブ(本社:東京都千代田区)は2022年12月2日、「LFS(ルフス)池袋 esports Arena」においてクリエイター向けPC「raytrek 4C」シリーズで採用される新型PCケース「4C(for Creator)」を発表した。
「4C」の披露に先立ち登壇したのは、株式会社サードウェーブ執行役員で製品・マーケティング統括本部 統括本部長の佐藤 和仁氏。2020年8月に組織変更に伴い、raytrekブランドを再構築するチーム作りから着手。PCでクリエイトする分野を音楽・写真・イラストの3つのグループに分け、クリエイターに直接話を聞くことで多くの意見を製品に反映できたという。
開発までのプロセスやコンセプトを語った株式会社サードウェーブ執行役員 製品・マーケティング統括本部 統括本部長の佐藤 和仁氏 |
課題にひとつひとつ取り組んだ結果、ゲーミングPCの派手なデザインとは異なり「クリエイターマインドを刺激する静謐な佇まい、それでいて高性能なスペックや高い冷却性能と拡張性を実現する、こだわりのPCケースが完成した」と言う。
続いて「4C」開発のキーマンである黒川 裕大氏(製品・マーケティング統括本部プロモーション部 raytrekサブプロダクトマネージャー)が登壇。クリエイターのためのPCケースとして目指したのは「落ち着きのある質感」「本物感」「高いメンテナンス性」「親しみやすさ」「高い冷却性能」。さらに3つのポイントとして「デザイン」「機能」「性能」にこだわったという。
秋葉原の店舗でも店長経験が長く自作の知識も豊富な黒川 裕大氏(製品・マーケティング統括本部プロモーション部 raytrekサブプロダクトマネージャー) |
ゲストとして出演した、東京藝術大学院映像研究科長・桐山 孝司氏(大学院映像研究科メディア映像専攻教授)。バーチャル空間として活用する「デジタル上野の杜プロジェクト」などPCへの負荷が高い重量級の作業を助けるのがraytrekだという |
自身も自作派であるというイラストレーターのPALOW.さん。作業のし易さはもとより「このスペックならゲームもたっぷり遊べそうですしベンチマークもガンガン回したい!」とコメント |
発表会の主役である新型PCケース「4C」をじっくりとみていこう。クリエイターが理想とする作業環境の実現のために考え抜いた「デザイン」が特徴の新筐体は、あくまで脇役(ツール)であるというスタンスのもと、存在感を主張しない落ち着きのあるブラックとシルバーのツートンカラーとした。なお、トップおよびボトム部分は圧迫感を抑えるために斜めにカットされている。
非常にスッキリとした佇まい。あくまで“道具としてのPC”にこだわった結果、魅せる要素のある強化ガラスパネルはオプションでも用意されていない |
フロントのフラットな部分はヘアライン加工が施されたアルミパネルを採用することで高級感を演出。「5.25インチオープンベイのブラック部分は横方向、下部のシルバー部分は縦方向にヘアライン加工を施し質感の違いにこだわった」(黒川氏)とのこと。さらに普段よく触れる部分をブラックに配色するなど、こだわりのデザインだと言う。
使い勝手の良い45°に傾斜したコンソールパネル。USB 3.0 Type-Aが2ポートでType-Cの搭載は見送り。クリエイター向けだけに意見が分かれるところだろう | 視認性も考慮し白く光る電源ボタンは下に押し下げるとON/OFFできるユニークな構造だ |
続いて内部構造を確認しよう。パフォーマンスを最大限に引き出すポイントとして優れた冷却性も特徴。冷却ファンレイアウトは、標準搭載でフロントに140mm(サードウェーブオリジナル)を2基、リアに120mm(サイズ製/140mmまで対応)を1基採用。オプション扱いながらトップには120mmを3基まで増設できる。また、ドライブベイは5.25インチx2、3.5インチx2、2.5インチx2が搭載可能だ。
標準搭載のファン。画像では発光しているが製品版はLED非搭載 |
なお、「raytrek 4C」シリーズはモデルによってオールインワン型240mmサイズラジエーターの水冷ユニットも選択可能。将来的には360mmサイズラジエーター搭載にも対応予定(5.25インチベイ排他)という。
最上位「raytrek 4CZZ」はCore i9-13900KにAIO水冷(240mmサイズラジエーター)を装着。検証の結果、温度に問題はないという | 右サイドパネル側の裏配線スペース。CPUメンテナンスホールは大きめにカットされ、増設用の2.5インチベイx2も確認できる |
良好なエアフローを実現する「4C」だが、強力な吸気により発生するホコリ対策も万全。フロント、トップ、左サイドパネル、ボトムの4カ所にダストフィルターを装備。ボトムを除く3カ所はマグネット式で、良好なメンテナンス性もアピール。またエアインテークをフロント両側面に設けたのは、ホコリが付着して見た目が悪いフロントメッシュ構造を回避。「長期間使っていても見た目を損なわないデザインにしたかった」という。
140mmファン2基をカバーするフロントのダストフィルター |
トップのダストフィルター |
左サイドのダストフィルターはちょうどグラフィックスカード部分の通気孔にあたる | ボトム(リア側)のダストフィルターはスライド着脱式を採用 |
ハイエンドグラフィックスカードが採用される「raytrek 4CZZ」「raytrek 4CXF」だが、重量級カードをガッチリ支えるVGAステイが装着済み。輸送時の落下を心配する必要はない。さらにGeForce RTX 4090構成の「raytrek 4CZZ」は、Intel ATX12V 3.0に準拠し、PCI Express 5.0向け12VHPWRコネクタを備える1,200W電源ユニット(80PLUS PLATINUM)が採用されていた。
外形寸法は幅216mm、奥行き486mm、高さ493mm、重量17kg(パーツ込み)。なお、ラインナップや価格についてはこちらのリリース記事に詳しい。
文: エルミタ編集部 Tawashi
株式会社サードウェーブ(ドスパラ): https://www.dospara.co.jp/