2022.12.17 12:38 更新
2022.12.17 取材
Radeon復活の兆しだろうか。2022年12月16日(金)19時より販売が解禁された最新GPU「Radeon RX 7900」シリーズが売れている。秋葉原の各ショップでは午前中に配布される整理券を求め、複数の店舗で16日の開店前から行列ができ、ツクモパソコン本店やTSUKUMO eX.では約30名ほどが列を作った。
解禁に合わせて発売されたのは、ASRock、ASUS、GIGABYTE、PowerColor、SAPPHIRE、XFX、玄人志向の7メーカーから計16モデルで、PowerColorを除く6メーカーは全てリファレンスデザインに準拠している。
人気は上位モデルの「Radeon RX 7900 XTX」。「XTXの完売を伝えると一気に行列がなくなった」と話すショップが多く、来店客の狙いはリファレンスデザインのRadeon RX 7900 XTXの一択だった模様。19時の解禁時には、ほぼ全てのショップでRadeon RX 7900 XTXが完売となっていた。なお、下位モデルのRadeon RX 7900 XTは在庫に余裕がある状況。これについてあるバイヤーは「価格や性能にそれほど差がなく、自分でもRadeon RX 7900 XTXを買う。ユーザーも分っている」とのこと。今後も人気はRadeon RX 7900 XTXに偏るというのが大方の見方だ。
この後はオリジナルデザインを採用した製品のリリースが控えているが、ある大手ショップのバイヤーによると「需要はリファレンスデザインモデル」と話す。その理由は、オリジナルモデルはサイズも大きく、オーバークロック仕様で消費電力も高い。つまり「ハイエンドグラフィックスカードとしては300mmを切る形状にして、ハイパフォーマンスを実現したRadeon RX 7900 XTXの良さが消えてしまう」ことを懸念しているようだ。
ちなみに初回ロットが完売したリファレンスデザインの製品だが、メーカーや代理店関係者によると「AMDは2023年第1四半期まで生産を続けると聞いているので、再入荷は何度かありそう」とのこと。とはいえ、AMDからのカード納品となるため「あまり儲からない」というのは業界内では有名な話。ビデオカードメーカー各社があまり積極的に扱いたがらない理由のひとつになっているようだ。
ともあれ好調な滑り出しの「Radeon RX 7900」シリーズに歓迎する声は多い。高いパフォーマンスながら、高発熱によるカードの巨大化と特殊な電源事情を抱える「GeForce RTX 4080/4090」とは異なる性格の製品を投入する事で、グラフィックスカード市場で新たなシェアを獲得できるのか注目だ。
文: エルミタ編集部 Tawashi
AMD: https://www.amd.com/ja/