2024.10.22 17:00 更新
2024.10.22 取材
ASRock Incorporation(本社:台湾)は2024年10月、開発コード名「Arrow lake-S」ことIntel次世代CPU「Core Ultra 200S」に対応するIntel Z890チップセットマザーボードについて、メディア向けの製品発表会を開催。国内発売予定の13製品を、原口 有司氏(エクストリームプロダクトマーケティング)により紹介された。
既にお伝えしているグローバルリリースでは16製品を発表。その中から、国内市場向けに厳選された13製品が25日の解禁と同時に発売される。
ハイエンドに位置する「Taichi」シリーズの中でも特に豪華仕様なのが、世界初のGen5 SSD用水冷ブロックを搭載する「Z890 Taichi AQUA」。トピックは発熱の高いGen 5 SSDを水冷化すべくAlphacoolと共同開発したVRM+SSD用水冷ブロックの採用。100%負荷時でもSSDの温度は48℃までに留まるという。
ちなみにAQUAシリーズは基板の大部分を覆う、フルカバータイプの水冷ブロックが代名詞。ところが「CPUは別途水冷ブロックを利用したほうが良く冷える」(Alphacool)との提案により、VRM+SSDのみを水冷化することになったという。
また、電源回路も強力にアップデート。110A SPSによる28(Vcore)+1(内蔵GPU)+2(メモリ)+1(I/O)+1(MPU)フェーズを装備し、通常560uFクラスが定番のところ、ASRock独自となる1000uF大容量20K超長寿命コンデンサを初めて採用している。電力供給の優れた安定性に加え、実装パーツを減らすことで耐久性とコスト削減の効果があるとされ、ローエンドからミドルレンジのマザーボードにも採用される。
オーバークロックに特化した「Z890 Taichi OCF」は、「Memory OC Shield」(特許出願中)を基板表面に実装することで、10,133Mbpsのメモリスピードに対応。オーバークロック時の安定性を高めた。
「Z890 Taichi」は、20+1+2+1+1電源回路設計を採用。余ったNVMe M.2 SSDを有効活用したいというユーザーの声に応え、NVMe M.2 SSDを基板上に6基、付属の拡張カードを使うことでさらに4基(PCI Express 4.0(x1)接続)の計10基ものSSDを搭載できる。なお、イルミネーションやヒートシンクを簡略化した「Z890 Taichi Lite」は、今回日本市場への投入が見送られた。
Z890 Taichi |
Z890 Taichi OCF |
その他、スライド機構採用の「グラフィックカードEZリリース」をはじめ、ツールレスでM.2 SSDが装着できる「M.2ツールレス機構」、M.2ボトムヒートシンクによりPCBを通してM.2 SSDの熱を効率的に放熱する「M.2 サンドイッチヒートシンク」といった機能も用意されている。ハイエンド志向の「Taichi」シリーズは、合計3モデルがラインナップする。