エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1
2009.03.10 更新
文:テクニカルライター Jo_kubota
まずはディスクベンチマークの定番、FDBENCHによる結果を見ていこう。テストサイズは1000MBと2000MBの2つでテストを行った。いずれもデータディスクとしてテストを行っている。FDBENCHはバラつきが大きいため、テストは5回行ってもっとも高いスコアを採用している。単位はKB/secだ。
パッと見の数字だけ見ると、G-Monster V2の方が優勢のように見えるが、細かく見ていくと、シーケンシャルリードは互角、同ライトはG-Monster V2の方が大きく上回っている。
そしてランダムリードはほぼ互角ながら、同ライトは圧倒的にOCZ Vertexが速い。なお言うまでもなく、HDDはSSDに大きく劣っている。もっとも、今回使用したHDDは、かなり使い古してバットセクタもそれなりに発生しているため、という理由もあるがスコアを倍にしても届かないことから、SSDが圧倒的に速いことに変わりない。
起動ディスクとして、あるいはOSのページファイル(仮想ディスク)で重要視するのはランダムアクセスだ。シーケンシャル性能も確かに重要だが、Windowsで使うことを考えるならランダムアクセス性能に優れるものを使うのが鉄則である。FDBENCHでもその片鱗は見えているが、大雑把すぎて本当にOCZ Vertexが速いのかどうか分からない。
そこで「I/O」性能について見ていこう。
具体的には、IOPS(I/O per second)、つまり1秒間に処理できる命令数を計測するため、「IOMeter」というベンチマークソフトを使用し、結果を見ていきたい。IOPSに優れるということは、それだけ同時にアクセスが発生しても処理に遅延が生じないことを意味する。1秒間にそんなに命令が発生するの?という疑問もあると思うが、HDD(というかディスクアクセス)はリードにしろライトにしろ1回のアクセスを完了するのに4~10程度の命令が必要であり、1命令で済むということはほとんどない。
その結果がこちらだ。
OCZ Vertex | G-Monstar V2 | HDD | |
IOPS | 176 | 104 | 46 |
MB/s | 130 | 97 | 35 |
Response Time(ms) | 5.6 | 8.7 | 21 |
CPU % | 1.24 | 0.71 | 0.34 |
実のところ、IOPS性能はテストの方法によってかなりスコアが変わる性質がある。今回はファイルサイズを512KBと1MB、それぞれリード0%/ライト100%、リード25%/ライト75%、リード50%/ライト50%、リード75%/ライト25%、リード100%/ライト0%という配分で10GB分の読み書きさせるテストをしている。(これだけでも1日近く時間がかかる)その割りに出てくるスコアはパッとしないのが難点だが、テストスコアの信頼性はFDBENCHよりも遥かに高い。
IOPS性能はHDD比でOCZ Vertexは約3.8倍、G-Monster V2は2.3倍という結果となり、今時のSSDは本当に速いことが分かる。
同じくIOMeterでの転送レート測定では、圧倒的にOCZ Vertexが早く、そしてレスポンスタイム(応答時間)もOCZ Vertexが圧倒的に短い時間を記録している。
最後のCPU使用率だが、OCZ Vertexが最も高く1.24%となった。CPU使用率が低ければ低いほど良いのは当たり前だが、Windowsでのディスクアクセスの場合、性能の高いストレージほどCPU使用率が上がる傾向がある。これは馬力の大きい車は速いけど燃費が悪いのと似ている。このあたりはある程度、スピードとのトレードオフとなるわけだ。もっともPCの場合、遅いよりも速い方がメリットが大きく、また1%台のCPU使用率ならPCに与える影響はほとんどないだろう。
というわけで、噂のOCZ Vertexは本当に速かった。