2019.12.31 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
統合型3Dソフトウェア「CINEMA 4D」を開発しているMAXONから、2013年に提供が開始されたレンダリングベンチマークソフトウェア。「CINEMA 4D」と同じレンダリングエンジンを採用し、主にCPUの性能を検証するのに利用される。
テストは、1コアのみを使用する「シングルコア」と、CPUに搭載されているすべてのコアを使い切る「マルチコア」に加え、グラフィックス機能を使用する「Open GL」の3種類が用意されているが、基本的にCPUに関連する「シングルコア」と「マルチコア」の2つのテストを使用する。
なお「CINEBENCH R15」は、クアッドコア世代のCPUをターゲットにしたベンチマークのため、最新のメイニーコアCPUでは、クロックが安定する前にテストが完了してしまう。そのため、より高精度なベンチマークとして、「CINEBENCH R20」(後述)が2019年に公開されている。
統合型3Dソフトウェア「CINEMA 4D」を開発しているMAXONから、2019年に提供が開始されたレンダリングベンチマークソフトウェア。「CINEBENCH R15」の後継とされるベンチマークテストで、より複雑なテストシーンを使用することで、レンダリングに必要な処理性能は約8倍に、必要なメモリは約4倍へと拡大。これにより、最新のメイニーコアCPUで、より精度の高い比較ができるようになった。
また「CINEBENCH R15」にあった、グラフィックス機能を使用する「Open GL」が省略され、CPUにより特化したベンチマークテストに変更されている。
テストは、1コアのみを使用する「シングルコア」と、CPUに搭載されているすべてのコアを使い切る「マルチコア」の2種類。なお「CINEBENCH R20」では、対応CPUやメモリ容量がより厳格化されており、非対応のシステムでは動作させることができなくなった。そのため、基本的には「CINEBENCH R15」と併用して使用する。
「HWBOT x265 Benchmark」は、新動画フォーマットHEVC/H.265形式へのエンコード性能を測定するHWBOTが提供しているベンチマークソフト。エンコーダはソフトウェアエンコーダで、「AVX2」など、最新の拡張命令セットを含めたCPUのパフォーマンスを検証することができる。
基本的に動画サイズのプリセットは「1080p」と「4K」を選択し、ベンチマークのタイプは「64bit」、優先度は「Normal」の設定で検証を行っている。なお「HWBOT x265 Benchmark」のテストを行う際には、コマンドライン上で、「HPET」(高精度イベントタイマー)を有効にしてから検証を行っている。
「V-Ray Benchmark」は、Chaos Groupが提供しているV-Rayレンダリングシステムを使ったレンダリングパフォーマンスを測定できるベンチマークソフト。
テストシーンにはCPUを使ってレンダリングを行う「V-RAY」と、GPUを使って行う「V-RAY GPU」の2種類が用意されているが基本的に「V-RAY」を使用する。
「Blender Benchmark 1.0 Beta 2」は、オープンソースの3DCGスイート「Blender」のレンダリングパフォーマンスを測定するベンチマークソフト。WindowsだけでなくmacOSやLinux用も用意されているため、プラットフォームを超えた性能の比較を行うことができる。
「Compute Device」(処理デバイス)は「CPU」と「グラフィックスカード」の2種類、ベンチマークの種別は簡易的な「QUICK BENCHMARK」と全ての処理を行う「COMPLETE BENCHMARK」の2種類が用意されているが、基本的に「CPU」と「QUICK BENCHMARK」を使用する。
「PCMark 10」は、PCの総合的なパフォーマンスを計測するFuturemarkの統合ベンチマークソフト。テストグループはアプリケーションの起動やWebブラウザの動作、ビデオ会議を想定した「Essentials」、Microsoft Officeなどのビジネスアプリケーションを想定した「Productivity」、写真や動画の編集、3Dグラフィックスのレンダリングなどを想定した「Digital Content Creation」、ゲームを想定した「Gaming」が用意されている。
「PCMark 10」では、総合スコアだけでなくテストグループごとのスコアを確認することもできる |
またテストのプリセットには、「Essentials」「Productivity」「Digital Content Creation」が含まれるベーシックな「PCMark 10」、ビジネスユースを想定した「Essentials」「Productivity」のみの「PCMark 10 Express」、全てのテストグループが含まれる「PCMark 10 Extended」の3種類が用意されているが、基本的に「PCMark 10 Extended」を使用する。
「Sandra 20/20」は、CPU、GPU、メモリ、ネットワークなどのベンチマークを統合した、SiSoftwareが提供しているユーティリティスイート。収録されているテスト項目は多岐にわたるが、基本的にCPUおよびメモリのレビュー時に使用する。
プロセッサの性能 | マルチメディア処理 |
メモリーの帯域 | メモリーのレイテンシ |
なおCPU関連のテストは、純粋なCPUの処理性能を測定する「プロセッサの性能」と、拡張命令処理性能を測定する「マルチメディア処理」。メモリ関連のテストでは、帯域幅を測定する「メモリーの帯域」と、レイテンシを確認できる「メモリーのレイテンシ」を使用する。