エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.2
2009.03.21 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
筐体サイズの大きさと共に目立つのが120mmファンの存在だ。ATX規格では、高さの制限が86mmであるため、それ以上に口径があるサイズのファンは物理的に搭載ができず、筐体上下面に120~140mm(13.5mm等)の吸気ファンが取り付けられている。
現在の電源ユニットでは、上下面レイアウトの吸気ファンが圧倒的だ。これは大口径ファンを取り付けることにより、風量を低回転で作り出すことができ、静音化が容易でありながら電源ユニット基板上の構成部品の冷却ができるとされている。しかしながらサーバー系の電源ユニットでは未だにストレートファンレイアウトが主流だ。
Embedded系のある技術者は、「キャパシタ(コンデンサ)に風をあてて冷却させるという概念はありません。これは効果の問題であり、電源に関して言えば、通常ヒートシンクに接触されている構成部品を冷却させる事が主目的であり、フィンに沿って風を流せるストレート(ファン)レイアウトは当たり前」という。
さらに「CP-850」のストレートファンレイアウトは、搭載可能専用ケースのレイアウトにも理にかなう。
「Twelve Hundred」は強力な冷却性能をウリにするため、少々忘れて頂き、「P183」「P193」はデュアルチャンバー構造を特徴としており、HDDケージおよび電源ユニットはマザーボードや拡張カード部分と分離されている。これはまさに電源ユニットのストレートファンが有効なレイアウトで、Antecがケースと電源ユニットのトータルバランスを想定し、さらに理想に近づけようとしている事が窺える。
なおファンスペックは、120x120x25mmで、パルス振幅変調PWM仕様。スペック上では、最低回転数390rpm、最大回転数2600rpmとなり、ケース内使用環境およびPCの負荷状況に応じて自動可変する。出来る限りの静音PCを構築させたい場合は、ケース内熱源の効率よい排熱環境を作る事が有効で、さらに「CP-850」自体も80PLUS認証を取得しているため、電気的ロスが少なく、低発熱で稼働できるとされ、搭載ファン回転数がむやみに高速にならない配慮がなされている。
ちなみにファンは、OEM向けでよく見かけるProtechnic MAGIC「MGT12012XB-W25」で、DC12V 0.52Aモデル。製品型番から、2ボールベアリングファンであることが解る。
120mmのPWM可変ファンはProtechnic MAGIC「MGT12012XB-W25」DC12V 0.52Aモデル |