エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.6
2009.04.28 更新
文:テクニカルライター Jo_kubota
今回、Core 2環境でDDR3メモリ対応マザーボードとして借用したのはGIGABYTEの「GA-X48T-DQ6」。チップセットはIntel X48 Expressを搭載し、XMPメモリ使用時は最大DDR3-1900MHzまで対応するハイエンドマザーボードだ。
広く開いたPCI Express x16スロットは、ATIのマルチGPUソリューション、「ATI CorssFireX」に対応するためのもの。そして、GIGABYTE製マザーボードでは定番となっている「Ultra Durable2」に対応し、低発熱でOn抵抗の小さいMOS FET、耐久性の高い固体コンデンサ、損失の小さいフェライト製コイルなどが採用されている。
マザーボード上には、サウスブリッジ~ノースブリッジ~VRDまで銅製のヒートシンクが装着され、すべてヒートパイプで結ばれている。これによりチップセット用のファンがなく静音性にも優れた仕様だ。
またVRDは12回路構成は、大電力を必要とするCPUに余裕をもって対応するほか、アイドル時など電力が必要ない時は自動的にVRD回路数を制限する「Dynamic Energy Saver」に対応している。つまり、ハイパワーなCPUから省エネのCPUまで、CPUに合わせた最適な電力管理をしてくれるのだ。
さて実際にこのマザーボードでXMPメモリを使うとどうなるのか?という点を最初に検証しておこう。
DDR3-1333MHzのメモリを挿すと、BIOSでは自動的に以下の設定がされる。なおCPUは、ベースクロックが333MHzのCore 2 Duo E8500/3.16GHzを使用した場合の例である。
そして、メモリプロファイルをXMPに設定すると、GA-X48T-DQ6では、自動的に以下のように設定される。
CPUのベースクロックが上がり、CPUの倍率が引き下げられているのだが、どうしてこのような事になるか? その答えは、Intel X48 Expressの仕様にある。
このチップセットでは、メモリクロックの最大値はFSBのベースクロック×4倍までしか設定できないのである。つまり、XMPメモリがSPDで持っている最大クロック(1868MHz)に一番近い設定を、自動設定した結果、FSB 469MHz×4となり、そのためCPU側も倍率を下げることでオリジナルのクロック(3.16GHz)に近い値が設定されたのだ。
しかし、FBS 469MHzはメモリにとってクリアできる数字だとしても、CPU側にとってはなかなか酷な設定だ。もちろん、電圧等をイジればクリアできなくもない設定だが、オーバークロックが趣味という人でもなければ、設定の加減を知ることは難しい。なにより、簡単にオーバクロックできるXMPメモリを使う意義が薄れてしまう。XMPメモリは“簡単に”というのがミソなのだから。
では、どうすればよいか。
それはFSBを引き下げてハードルを下げてやることだ。
この設定では、ベースクロック400MHz、つまりFSB 1600MHzとし、メモリも同様に400MHz×4の1600MHz設定とする。このマザーボードは独自にFSB 1600MHzをサポートしているため、かなり動作する確率は高くなる。またCPUクロックも3.16GHzから3.2GHzと、わずか0.04GHzしか向上していないため、CPU的にもマザーボード的にも余裕のある設定となるのだ。
では、XMPのDDR3メモリを使うとどのくらいパフォーマンスアップするのか、あるいは全くしないのか、ベンチマークを使って見ていこう。