エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.11
2009.06.22 更新
文:GDM編集部
CoolerMasterは、2009年6月19日に新型ケース「GLADIATOR 600」(型番:RC-600-KKN1-GP)をリリースした。ここ数年、CoolerMasterのPCケースはヒットが続いている。
「Centurion 5」の記録的な大ヒットから始まった“連続安打”は、とどまるところを知らず、派生系モデルとなる「CM 690」や、静音重視型「Sileo 500」、エントリークラスの「Eliteシリーズ」、そしてアッパークラスでは「CM Stackerシリーズ」、「COSMOS」、「HAF 932」、そしてゲーマー向けブランド「CM STORM」からは「SNIPER」、新作「SCOUT」など、自作マニアであればお馴染みのモデルばかりである。
PCケースに限定し、思えばここまで製品名とブランド名、そしてケースデザインまでを思い浮かべる事ができるメーカーは希ではないだろうか。「所有していなくても知っている」、気が付けばCoolerMasterはそんなブランドに成長していた。
そんな記憶に残るケースをリリースし続ける同社から発売されたばかりの「GLADIATOR 600」だが、まずはそのスペックを確認してみたい。
ここでは発売以来快進撃を続ける「CM 690」を比較対照として、チェックしてみよう。
GLADIATOR 600 | CM 690 | ||
対応M/B | ATX/MicroATX | ATX/MicroATX | |
サイズ | 幅 | 202mm | 213mm |
高さ | 440mm | 483mm | |
奥行き | 485mm | 524.5mm | |
重量 | 7.1kg | 9.8kg | |
ドライブベイ | 5.25" | 5 | 5 |
3.5" | 1(5.25"排他) | 1 | |
3.5"シャドウ | 5 | 4 | |
拡張スロット | 7 | 7 | |
電源 | ATX(Option) | ATX(Option) | |
ファン | フロント | 120mm Blue LED (140mm搭載可) |
120mm Blue LED |
リア | 120mm(Option) | 120mm | |
トップ | 140mm | 120mm or 140mm x2 (Option) |
|
側面 | 120mm or 140mm x2 (Option) |
120mm x2(1基標準) (Max 140mm x2搭載可) |
|
ボトム | — | 120mm(Option) | |
etc | — | CPUクーラー背面 (80x80x15 Option) |
本来であれば、静音重視モデル「Sileo 500」がサイズ的にほぼ同格なため、比較対照にすべき所だが、「GLADIATOR 600」は静音重視型ではなく冷却重視型に重きが置かれているため「CM 690」とした。なお市場想定売価だが、奇しくも3モデル共に12,800円前後に設定されており、性格やサイズの違いはありつつも兄弟モデルと言っても良いだろう。
このように価格だけを見ると、ここで引き合いに出した3モデルは共にライバル関係にある事が解る。静音志向が強く防音シート等が施された「Sileo 500」、拡張性が高く、冷却重視な「CM 690」、そして今回の「GLADIATOR 600」は、似て非なるモデルとは言え、購買意欲をそそるに重要なデザイン、そして盛り込まれたギミック、そしてトータルで見る方向性は、各々の主張が明確だ。(「GLADIATOR 600」の詳細については後述したい)
同一メーカー、そして同一価格帯にモデルをリリースする理由は、“後継モデル”としてでは決して無く、CoolerMasterというブランドの中でライバルを作ることでユーザーに選択肢を提供し、より各モデルの特徴を色濃くさせるためと言えるだろう。
ライバルがあってこそ個々のコントラストが鮮明になり、言い換えれば“CoolerMasterブランドですべては事足りる”と言う状態にする事こそメーカー側の戦略ではないだろうか。もしそれが間違いでなければ、今回「GLADIATOR 600」が支持を得た場合、今以上PCケースカテゴリにおけるCoolerMasterのシェアはさらに成長する事になるだろう。またその予感を十分にさせるのが、この「GLADIATOR 600」なのである。
「GLADIATOR 600」の詳細を見て行く前に、今回は同ケース担当のプロダクトマネージャー・Yio-Da Hua氏に少々質問をしてみる事にした。
念のため注釈を入れておくと、プロダクトマネージャーとは、プロダクトに対する責任者で、企画開発をはじめリリース後の万一のトラブル改善までを担当する。まさに「GLADIATOR 600」の生みの親的存在である。
今回は貴重な時間を頂き(よって回答は非常に簡潔ではあるが、、、)、簡単に3つの質問をぶつけてみたが、無機質なPCケースに対し担当者の顔が見えるという事は、スペックシートや製品情報を閲覧するよりも遙かに説得力があり、また違った興味を持った上で製品を見ることができるのではないだろうか。
それではYio-Da Hua氏の話を念頭に、「GLADIATOR 600」の細部を確認して行くことにしよう。