エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.11
2009.06.22 更新
文:GDM編集部
フロントパネルはドライブベイからフロントファン吸気部までメッシュ仕様にし、通気性を向上させている。なおフロントパネルの着脱は「Centurion 5」のような硬さが無いため容易 | フロントパネル裏部。メッシュ仕様なため、防塵フィルタが装着されている。メッシュ部の着脱はできないが、掃除機などで簡単に埃を取り除くことができる |
フロント吸気ファンは120mm BlueLEDモデルが標準で搭載されている。スペックは1200rpm/17dBAでフロントスイッチによりLEDはON/OFFが可能 | サイドパネルには、140mmまたは120mmファンが2基搭載できる。上段はCPUクーラーおよびレギュレーター部を、下段は拡張スロット部の角ポジションをカバーする |
リアファンはオプション。120mm角ファンの他、“念のため”90mm/80mm角ファンのネジ穴も用意されている。当然の事ながら排気となるため、防塵フィルタは無く、通気性および剛性が高いハニカム構造の打ち抜きがなされている | トップには140mm角ファンが1基標準搭載される。回転数は1200rpm、17dBAで実際に駆動させてみると滑らかで静かなモデルであった |
ハードディスク装着には専用のレールを使う。両側面のネジ穴にはめ込むだけで準備完了 | 専用レールが装着されたハードディスクをシャドウベイにスライド挿入すると、ノッチが掛かり、固定が完了する。リリースにはレール末端を内側に押すだけでノッチが解除される仕組み |
フロントパネルは鏡面メッキ加工のプラスチック製が採用されており、精悍なブラックを引き立てている。このような演出がCoolerMasterは非常にうまい | フロントスイッチは3つ。右上の一番大きなボタンはPowerスイッチ、その下がリセットスイッチ。さらに左側にあるプッシュボタンは、フロントファンLEDのON/OFFスイッチとなる。これは便利 |
フロントI/Oポートは右からesATA、USB2.0、ヘッドフォン、マイク、USB2.0 | 電源ユニットは、ボトムレイアウトが採用される。今回搭載してみたのは、CoolerMasterの「Silent Pro M600」で、これに関しては後述とする |
底面には電源ユニット吸気用の穴が設けられている。なおゴム製インシュレーターの高さは実測値で約6mm。吸気には十分な高さとなる | マザーボードトレイを曲げての電源ユニットのガイド。高さ86mmの規格なのでどのモデルにも合致するワケだが、乱暴に扱うと電源ユニットに傷が付けてしまう恐れがある。ゴム製ラバー等があれば良いのだが、、、 |
ケースファンはすべて3pin-4pin変換ケーブルが付属する。マザーボードの3pinコネクタが少ない場合等には別途用意する必要が無くたいへん便利 | フロントI/O用のデバイス用コネクタは、上からesATA、オーディオ(AC797/HD両対応)、USB(2ポート分) |
マザーボード接続用ヘッダピンコネクタケーブル。上から緑白/PowerLED、赤白/HDDLED、青白/ResetSwitch、燈白/PowerSwitch |
5.25インチベイに3.5インチドライブを使うためのマウンタも標準装備されている。ABS樹脂製で、ネジ部のみ金属が使われている | 金属製のメッシュは、ボトム部の電源ファン吸気用穴を使用しない場合などに装着する |
各種ネジ類、スピーカー、結束バンド等が付属される | サイドパネルは両面共に手回しインチネジが使われている。ヘッドが大きく指の力だけでトルクはかけやすい |
今回は台湾CoolerMaster社の協力の元、リリース間もない「GLADIATOR 600」の細部をチェックすることができた。
ここ数日、「GLADIATOR 600」を目の前に据え置き、暇を見つけてはパネルを外し、またスイッチをカチカチ意味もなくいじるという事を繰り返していたのだが、マザーボードやCPUがまったく装着されていない状態のケースをじっくり見ていると、当然ながらこれは「パソコン」ではなく、ただの「PCケース」であり、「PCケース」としての個性や主張がしっかりと感じられるようになってきた。
筆者自身、実はCoolerMasterのケース(Centurion 5)を1台所有しているのだが、この「GLADIATOR 600」は確実に進化している事に気が付く。
あれだけ完成されていると思っていた「Centurion 5」は、実はまだまだ発展途上の製品であった事を思い知らされたのだ。
ハードウェアと違い、あまりテクノロジーの進化には敏感ではないと思っていたPCケースだが、CoolerMasterはしっかりと自社製品の進化の過程を振り返りながら、良いところは残し、悪い所は改良するという“当たり前”の作業を行っている。それはフロントパネルの取り外し易さだったり、内部工作精度であったり、ほぼ同サイズで大口径ファンをふんだんにレイアウトできたり、、、なぜ「Centurion 5」で出来なかったのかと思ってしまうほどだ。(Centurion 5も非常に完成度が高いがために、あれだけの大ヒット製品になったことは忘れてならない)
そして何より、CoolerMasterは個性がハッキリと表れるようになっている。敢えて名前を出すと、国内ではCoolerMasterの強力なライバルとなっているAntecがそれで、サイドパネルを外しただけでメーカーが言い当てられるまでに成り上がった。そしてCoolerMasterのケースも同様に一発で言い当てる事ができる。これはCoolerMasterが市場に認められるまで、改良を重ね、一貫性を持って(数々の苦言もありつつ)リリースし続けたからに他ならない。
今回はケース担当のプロダクトマネージャーに話を伺う機会も得られたが、彼らが想像し、そして形にして行く作業をこれからも大いに期待したい。