エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.13
2009.07.28 更新
文:GDM編集部
エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.13。“最強エアフロー”というキーワードを引っ提げて2008年8月にデビューした「HAF 932」(型番:RC-932-KKN1-GP)から1年弱、今度は少々高さが低くなりより実用的サイズに仕上げられた「HAF 922」(型番:RC-922M-KWN1-GP)がリリースされた。
クーラーマスターのロングセラー「CM 690」等のような外観とは間逆とも言える「HAF」直系のアグレッシブなデザインは、ゲーマー向けベース筐体としての位置付けが前面にアピールされている。
さてゲーマー向けと言う定義を考えてみると、すぐに思い浮かぶのは高冷却。特に高い負荷状況に追い込まれ、「安定稼働してもらわなければ困る」という、PCに対する要求は通常使用よりも格段に高い物となる場合が少なくない。
数年前の120mmファンが最大口径であった時代に比べれば、メーカー側から提供されるPCケースは手を加える必要がほとんど無いほど、非常に高い冷却性能が備えられている。なんとも幸せな時代になったものだが、さて本当にメーカーがアピールするほどの効果は現実的にあるのだろうか。
確かに140mm口径オーバーの冷却ファンが搭載されていれば、それなりの静音性とエアフローは稼げているだろう。しかしそれは想像でしかなく、実際にPCケース内ではどのような風の流れによってその効果が発揮されているのかは解らない。
今回は“ちょうどいい”サイズになった「High Air Flow」=「HAF 922」を俎上に、冷却に関してこれまでと違った視点でチェックをして行きたいと思う。ではその前に慣例通りケースのディティールから見て行く事としよう。
“HAF”はHigh Air Flowを意味するCoolerMasterゲーミングケースのシリーズで、今回の「HAF 922」はその2代目となる。
前作に比べてサイズダウンがなされた「HAF 922」は、まさに“ちょうどイイ”サイズのミドルタワーケースで、兄貴分「HAF 932」と比較するとより日本のPC事情にマッチしたモデルといえる。ではどの程度のサイズダウンがなされているか、まずは両者スペックを比較してみる事にしよう。
HAF 922 | HAF 932 | ||
対応M/B | ATX/MicroATX | ATX/MicroATX | |
サイズ | 幅 | 253mm | 243mm |
高さ | 502mm | 560mm | |
奥行き | 563mm | 564mm | |
重量 | 8.7kg | 15.4kg | |
ドライブベイ | 5.25" | 5 | 6 |
3.5" | 1(5.25"排他) | 1(5.25"排他) | |
3.5"シャドウ | 5 | 5 | |
拡張スロット | 7+1 | 7 | |
電源 | ATX(Option) | ATX(Option) | |
ファン | フロント | 200mm Red LED 700rpm/19dBA |
230mm RedLED 700rpm/19dBA |
リア | 120mm 1200rpm/17dBA |
140mm 1200rpm/17dBA |
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トップ | 200mm 700rpm/19dBA |
230mm 700rpm/19dBA |
|
側面 | 無し | 230mm 700rpm/19dBA |
|
ボトム | 120/140mm x1 (Option) |
120mm(Option) |
このように、目立つのは高さで58mmのサイズダウンとなり、奥行きはほぼ同等、幅に関しては「HAF 922」の方が10mm拡張されている。なお高さのマイナスは5.25インチオープンベイ1段分と言ったところ。また搭載ファン口径がフロント、リア、トップ共に口径が小さくなっているが、回転数や騒音値は同等となっている。
なおここで触れなくてはならない所は、側面パネルのファンで、「HAF 932」では230mmファンが1基(または120mm4基)搭載されていたが、新作「HAF 922」ではアクリルサイドパネルに変更されている。
CoolerMasterのGlobalサイトでは本来オプション扱いとなっているこのアクリルサイドパネルだが、日本国内流通モデルは敢えてファン無しのパネルを選択しており、その理由は「前面、上面、背面で圧倒的なエアフローを確保しているため、グローバル仕様のメッシュサイドパネルをあえて外しました」(国内正規代理店・CMインダストリー製品詳細抜粋)している。さらに補足としてアクリルパネル仕様にする事でケース内部の音漏れを防ぐとしており、若干“HAF”のコンセプトから逸脱している感がある。
この選択が吉と出るか凶と出るかは以降テスト結果で判断して頂きたい。