「HAF 922」プロダクトマネージャー・Eric Chen氏に聞く

さて、エアフロー中心に細部を紹介した「HAF 922」だが、今回もメーカーの開発に携わるプロダクトマネージャーにお話を伺う機会を得ることができた。
　プロダクトマネージャー・Eric Chen氏は、製品全てを統括するいわば総合プロデューサー的立場で、非常に多忙な中にも関わらず、こちらの疑問に対し丁寧に回答を頂いた。「HAF 922」の外観からは想像できないクールなEric Chen氏は、アグレッシブなケースについて静かに語った。

Q1.今回発売された「HAF 922」一番のアピールポイントは？

プロダクトマネージャー・Eric Chen氏

2008年、高いエアフローと外観を強い個性で演出された「HAF 932」は、世界中のマーケットで非常に好評を博しました。そして2009年、私たちはより小さな設置スペースと、さらに求めやすいプライスに絞り込んだミドルタワーケース「HAF 922」を市場にリリースする事にしました。

フルタワーモデル「HAF 932」の圧倒的な成功の元、すばやく外気のフレッシュなエアをケース内に送り込むと同時に静音性を両立とさせるため、CoolerMasterはほぼ同様に200mmファン構造を選択しました。「HAF 932」同様、このモデルでもマザーボードを取り外すことなくCPUクーラーを装着できる工夫や、光学ドライブやハードディスクドライブを容易に搭載できる構造も継承されています。

さらに面倒な内部配線をスマートにできるケーブルマネジメントにも気を配り、メンテナンス性も良好になっています。

Q2.「HAF 932」と比較し、トップおよびフロントファンの口径を変更したその理由は？

前述通り、自宅の設置スペースに限りのあるユーザーは「HAF 932」より一回り小さなバージョンを必要とするでしょう。そこでCoolerMasterはミドルタワー版を設計しました。しかし全ての特徴を継承したデザインで同一口径のファンを搭載させる事は物理的に不可能でした。
　したがって私たちは、最適なエアフロート静音性を両立とさせた200mmファンを「HAF 922」に搭載させる事にしました。

Q3.「HAF」は今後、第3弾・第4弾とシリーズ化される予定はありますか？

はい。CoolerMasterは「HAFシリーズ」がトレードマークとなる特有のデザインと特徴を秘めている事を明確にすることができました。これを受け、私たちは成功をし続けながらこれらを今後も構築しようと試みています。

「HAF」シリーズ第1弾としてリリースされた「HAF 932」は、圧倒的な存在感とCoolerMasterらしい考え抜かれたエアフローデザインによって世界的に大きな支持を得ることに成功した。 そして「HAF 922」がリリースされたわけだが、日本の生活環境がこのモデルに大きな影響を与えている事が解った

Q4.世界のマーケットを見て、日本の自作マーケットは特殊だと思いますか？またCoolerMasterから見て、日本の自作マーケットをどのように感じていますか？

ヨーロッパとアメリカのマーケットと比較したとき、日本の自作マーケットはユニークです。特にそれが日本の環境や文化によって影響される時だけでなく、彼らが品質に関する“美学”と“スペック”が平均以上に達していなければならないという、高い理想を持っていると感じます。

人間工学に基づいた静かな生活環境が基本となる日本にマッチするモデルとして、私たちはサイレントモデル「COSMOS」、非常に高性能な「CM 690」、そしてゲーマーのために「HAF」シリーズをリリースしてきました。
　日本マーケットのユーザーとより良い密接な関係を保ちながら、その要望に耳を傾けることで、CoolerMasterは期待以上の製品を今後も開発して行けるよう努力を続けて行こうと考えています。