エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.15
2009.09.02 更新
文:テクニカルライター Jo_kubota
さて、ここからが本題。SanMaxのPC3-12800メモリモジュールは一体どこまで回るのだろうか。
テストの合否は3DMark06を30分ループさせ落ちないことを条件とし、メモリクロック設定は、DRAM設定にて1866MHzまで、それ以上はD.O.C.P.にて設定してみた。その結果は下記の通りだ。
DRAMクロック(MHz) | 1066 | 1333 | 1600 | 1866 | 2006 | 2105 | 2133 | 2293 |
転送レート(GB/sec) | 8500 | 10600 | 12800 | 15000 | 16000 | 16800 | 17000 | 18300 |
BIOS起動 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × |
Windows起動 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × | × |
3DMark06完走 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × | × |
結果から言えば、無事に完走を果たしたのは、DDR3 2006MHz(PC3-16000相当)までだった。DDR3 2105MHzはBIOSの表示はできたものの、すぐにフリーズしてしまい、当然ながらそれ以上のクロックもNGという結果に。
では、メモリクロックを上げると、どのくらいPCパフォーマンスが上がるのだろうか?というわけで、3DMark 06(1280×1024ドット)の標準設定にてスコアを取ったのが、以下のグラフだ。
メモリクロックが倍近い1066MHzと2006MHzの差はわずか405。しかもDDR3 2006MHz設定時は、ベースクロックが上がるので若干CPUクロックも高くなる(CPU-Z読みでCPUクロックは2.71GHz)ため、これはメモリ性能ではなくCPUクロックの差と読むのが正しい見方だろう。
では、全く意味がないのか?と言えば、そうではない。Sandra 2009/SP4にてメモリの転送レートを計測すると、以下のように、クロックに応じて転送レートが伸びていることが分かる。
続いてメモリのレテンシを見てみよう。同じくSandra 2009/SP4にて計測したのが以下のグラフだ。クロックが上がるほどレテンシも短くなっているのが分かる。ここで言うレテンシとは、前述したメモリレテンシとは違い、実際にアクセスした際に生じるレテンシで、よほど遅いレテンシ設定をしない限り、通常は高いクロックほどレテンシは短い。
ちなみに、それぞれのクロック設定時のメモリレテンシ設定をCPU-Zで読み取ると以下のようになっている。レテンシ設定は、いずれもマザーボードのBIOSで「AUTO」にした時のものだ。
2006MHz設定時は、D.O.C.P.設定なので電圧が1.9Vとなっている。そのためか、レテンシは1600MHz設定時と近いタイミング設定にされている。2000MHz超えでCL9設定というのは、驚異的。なお、メモリモジュールのSPDに入っているプロファイルは左記のとおり |
はっきり言って普通に使う分には、こんな凄いメモリは必要ない。けれど、オーバークロックに傾倒するユーザーにとって、メモリは一つの鬼門であった。それはCPUやGPU以上に使ってみないと分からないという側面が強く、なおかつ情報も少ない。また搭載されているチップも入荷時期によって違ったりと、本当に手にしてみるまで分からないことが多いのだ。
またショップ側でもメモリのオーバークロック情報は、それほど熱心に収集していないことが多く、店員にマニアックな質問をしても、いい返事が貰えることは少ない。その中で、メモリに関して濃い情報を持っているのが、秋葉原にあるPCパーツショップ「アーク」だ。オーバークロックに関する情報は最近、金太郎飴化が激しい秋葉原において、唯一、手に入る場所と言ってもいいだろう。
メモリに起因するのオーバークロックに悩んだら、一度同店に相談してみてはいかがだろうか。きっと満足のいく答えが得られるはずだ。
なおパソコンショップアークでは、Intel P55チップ搭載マザーボードに特化された「SanMax DDR3 ELPIDA HYPER SERIES」デュアルチャンネルキットの発売が予定されている。リリース日は9月8日頃で、P55環境を考えている方は是非選択肢のひとつに加えてみてはいかがだろうか。
SanMaxメモリが買える店 「パソコンショップアーク」 〒101-0021 東京都千代田区外神田 3-16-18 【電話番号】03-5298-7020 【FAX】03-5298-7059 【URL】http://www.ark-pc.co.jp/ |