エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.20
2009.10.23 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
ここからはストレージに関わるドライブベイを見ていこう。多くの自作ユーザーは、外形寸法と同じくらいの重要度でドライブベイ数は気になるポイントだろう。もちろん数が多く困ることはあまり無いと言えるが、過剰に用意されても持て余すだけだ。
この「RAVEN 2」のスタイルは、一見フル5.25インチベイ仕様に見て取れる。確かにフロントベゼルは8枚装着されているので使用は可能だ。ただし、3.5インチシャドウベイが3段分排他仕様となっており、さらに5.25インチ光学ドライブ用ツールフリー機構は4台分のみ装備されている(最上部は非装備)。つまり用意はあるものの、現実的に考えれば5.25インチベイ5段、3.5インチシャドウベイ3段というところだろう。
そして忘れてならないのが、2.5インチSSDまたはHDD用シャドウベイが1段用意されている所だ。特にSSDの普及は目覚ましいものがあり、今後容量単価さえ落ちれば、確実にHDDのシェアを逆転するであろう事を見越して、5.25インチベイ側面にネジ留めで装着する事ができるようになっている。高さのあるケースだけに、頑張れば4台の2.5インチシャドウベイがレイアウトできると思うのだが、ここは控えめに1台分となっている。汎用の万能ステイ等を簡単に加工する事で複数台装着もできそうな余地は残されている。
5.25インチベイは公称8段。ただし実際には3.5インチシャドウベイのHDDケージが装着されるため、現実的には5段となる。内4段分にはツールフリーワンタッチ式のロックが装備されており、ガッチリとした構造は、数あるドライブベイ固定式の中でもトップクラスの機構と言える | |
3.5インチHDDケージが装着されるシャドウベイ部。5.25インチベイ3段を使い、3.5インチHDDは縦に3基搭載ができる。逆に言えば、3基までしか装着ができない。これ以上複数台搭載がしたい場合は、汎用マウンタ等を用意する必要がある | 5.25インチベイ左側面には2.5インチシャドウベイが1つ用意されている。付属のL字マウンタをSSD等に装着し、本体にネジ留めができる。この左側にはケーブルホールがあり、非常にスマートにSSDが導入できる。願わくば最低でももう1つ搭載スペースが欲しいところ |
ハードディスクケージは5.25インチ3段を使用し、ハンドスクリューで片側4箇所留め。ボトム180mmファンに対し、垂直にハードディスクを装着する。これにより、メモリ以外は拡張カード等もエアフローに対して垂直レイアウトが構築できる | ハードディスクケージにはスリットが入り、ボトム180mmファンからのエアは隙間を抜けるように工夫されている。ちなみにハードディスク間隔は実測値15mmで通気には十分のスペースと言えるだろう |
ハードディスクケージへの取り付けは、専用インチネジを使用する。ハードディスクケージに装着されているネジ穴部のゴムブッシュにより振動防止効果が期待でき、金属部分非接触型のフローティング式が採用される | ハードディスクケージはマザーボードを装着してしまうと内部からの着脱は物理的干渉でNGながら、フロントアクセスで着脱が可能。どうも誤解が多いようで、わざわざSilverStoneのQ&A(PDF)に画像入りで紹介されている |
「RAVEN 2」で大きな特徴のひとつとなっているのが冷却機構だ。ここからは内部エアフローについて見て行こう。
まず強力な吸気システムとなっているボトム部の180mmファン(厚さ32mm)のトリプルレイアウトだ。大口径ファンを搭載するメリットは、インペラが大きくなる分、低速=低騒音値(静音)ながら大風量が得られる点。ケースボトム面積をほぼ覆ってしまうこの3基は、回転数がHigh(1,000rpm/27dBA)とLow(700rpm/18dBA)の切り替えが可能で、トップカバーの外すことで切り替えスイッチを操作する事ができる。なお電源供給は3pinで、型番は「RL4Z S1803212M-3M」で、DC12V 0.3A。
このボトムファンにはそれぞれスライド式エアフィルターが装着されており、埃の侵入をガードする他、着脱が容易なのでメンテナンスを楽に行うことが出来る。ちなみにフィルター下には120mmファンができる穴が事前に用意されている。
一方排気ファンはトップ部に1基で、スペックは120mm口径で、950rpm、18dBA。一見ボトム吸気180mm 3基に対し、トップ排気120mm 1基では心許ないと感じるかもしれないが、拡張スロットはスリット仕様で、本体トップにも排気孔が用意されているため、十分な排熱が可能となっている。
ボトム3連吸気ファンは「RAVEN 2」を語るには欠かせない大きなポイントとなっている。搭載ファンは180mmの大口径。さらにトップ部に3つの回転数切り替えスイッチが装備され、H1,000rpm/27dBA、L700rpm/18dBAを個別設定ができる |
ボトム3連吸気ファンは「RAVEN 2」を語るには欠かせない大きなポイントとなっている。搭載ファンは180mmの大口径。さらにトップ部に3つの回転数切り替えスイッチが装備され、H1,000rpm/27dBA、L700rpm/18dBAを個別設定ができる |
3連180mmファンは、それぞれFRONT:メモリ・CPUセクション、MIDDLE:グラフィックスカードセクション、REAR:ハードディスクセクションと、それぞれのパートをカバーする |
トップには120mm排気ファン1基が搭載される。その他拡張スロットは排気が可能なスリットが設けられ、さらにその横にも正方形の排気口があり、ケース内部の熱を排出できる工夫が随所になされている |