エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.30
2010.03.22 更新
文:GDM編集部 池西 樹
今回はWesternDigital製のSATA 3.0(6Gbps)対応ハードディスク「WD1002FAEX」も用意できたため、同様のテストを行ってみることにした。
「WD1002FAEX」はSATA 3.0(6Gbps)に対応し、回転数7200rpm、キャッシュ容量が64MBのモデルだ。一応、SATA 3.0(6Gbps)対応となっているが、実際の所、ハードディスクの転送速度はSATA 2.0(3Gbps)の上限である300MB/sにも達しておらず、現状ではあまり意味はないはずだ。それを踏まえつつ、敢えてどのような結果になるかを見て行きたい。
「WD1002FAEX」の結果でもケーブルによって有意な差は出なかったが、唯一テスト結果で注目すべきは50MBのシーケンシャルリードの数値で、今回チェックしたすべてのケーブルにおいて350MB/sを超える結果となっている。
当初テストに失敗しているのかと思い、何度か繰り返しテストしてみたが結果は変わらなかった。おそらくこれは、「WD1002FAEX」には64MBと 大容量のキャッシュが搭載されており、CrystalDiskMark2.2の50MBのテストではすべてキャッシュへアクセスしているためだと思われ る。
このことから、ディスクキャッシュ内のデータにアクセスする場合には、6Gbpsの転送速度は無駄にならず、その効果を十分に発揮できることがわかる。
ここまでSATA 3.0/2.0対応のケーブルを使って転送速度テストを行った。まず既存のSATA 2.0(3Gbps)のケーブルについてだが、正常に動作してしまえば転送速度に差は無かった。しかし、今回のテストでは相性と思われる症状が確認できた ため、できれば“念のため”SATA 3.0(6Gbps)のケーブルを用意した方が良いだろう。その点は結果的に製品の存在意義は確認できた。
またSATA 3.0(6Gbps)対応のケーブルだが、ケーブル形状やノイズ低減機構の有無で転送速度に違いは出なかった。今後、より高速なSSDが販売され、ケーブルに対する要求がさらにシビアになれば結果が違ってくるのかもしれないが、現状ではケーブルの硬さやコネクタ形状などを考慮して使い易いケーブルを利用するというスタンスで問題ないだろう。
今後市場にはSATA 6GbpsインターフェイスSSDが増える事になるが、機会ある毎に対応ケーブルを中心としたテストを継続して行おうと考えている。回を重ねる毎にSATA 3.0(6Gbps)対応ケーブル個別の性能差が見えてれば良いのだが。ひとまずそれに期待したい。