エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.34

ATXミドルタワーの新たなる定番 CoolerMaster「CM690II Plus」ファーストインプレッション

2010.04.16 更新

文：GDM編集部　松枝清顕

格段に進化したドライブベイ部をチェックしてみる

既存モデル「CM690」でも横置きにレイアウトされるカートリッジ式タイプの3.5インチハードディスクシャドウベイは非常に使い勝手が良く、フロントファンからのエアフローも良好で、個人的にはほぼ満点に近いものだった。しかし手を緩めないCoolerMasterは、「CM690II Plus」で加える必要のない箇所に敢えてメスを入れている。
　ここからはさらに進化したドライブベイ部を中心に、さらに内部をチェックしていこう。


「CM690II Plus」はメッシュ孔の直径がサイズアップされ、より通気性が向上されているのも大きな特徴のひとつ。「CM690」の実測値約2mm径から実測値3mm径に変更されただけで、かなり違った印象を与える	丸みを帯びたデザインも継承されつつ、アクセントに3本の凹凸ラインを追加。カーブの工作精度も良好で、クォリティの高さが窺える

オールブラックケースになったため、背面ももちろんブラックに。またこのモデルから拡張スロットタイプのファンコントローラー等の設置に便利なPCIスロット1本が縦位置に追加された	電源ユニット搭載スペース四隅にはゴムブッシュを装着。なお床面とケースの隙間は実測値約20mmで、この隙間がボトムファンの空気取り入れ口となる

5.25インチベイは全4段。光学ドライブ固定には、新設計のツールフリーロック機構が採用されており、完成度は極めて高い。また手持ちのドライブで装着テストを試みたレベルに於いては、CoolerMasterのケースに多い5.25インチベイ横幅の“キツさ”は感じられなかった。ただしこれに関して若干擁護しておくと、ドライブ側の精度の問題も大きく関与しているはずだ

3.5インチシャドウベイは全6段。最大で5台の3.5インチHDD、1台の1.8/2.5インチSSD（またはHDD）が格納できる。またこのモデルからHDDを支える両側のステイが着脱式となり、これを取り払うことでケース横幅分のスペースを確保する事ができるようになった。取り外し方法は、裏面3カ所の固定ネジと底面4カ所の固定ネジを外すだけ。ただ若干着脱にはコツが必要で、両ステイが少々外しにくく、元に戻す工程も限られたスペース内での作業になるため、傷をつけないように注意したい

底面ネジの着脱およびファンを装着するには、防塵ネットを外す必要がある。よくあるスライド式ではなく、ネット部のツメをケース本体に引っかけるタイプで、簡単に取り外しは完了する

3.5インチシャドウベイを外してみたところ。通常拡張スロット搭載スペースが公称304mmのところ、実測値410mmの有効スペースが確保できる。なおこのレイアウトで使用した場合、3.5インチシャドウベイは2基となるため、3基目以降は別途汎用マウンタ等を用意しよう

3.5インチハードディスク用は従来モデルで好評のカートリッジ式を採用。ABS樹脂製で、ネジ留めは不要。装着感は良好で、相変わらず非常に良くできている	「CM690」登場から約2年半の間、飛躍的に普及したSSDにより、1基分の1.8/2.5インチSSD用カートリッジが用意される事になった。装着はSSD底面4つのネジで固定する

これは「CM690II Plus」付属品のすべて。5.25インチベイ排他となる3.5インチオープンベイ用のベゼルや、HDDシャドウベイ部に追加できる120mmファン固定用「Plastic revit」などが茶箱内に収められている