エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.39
2010.05.05 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
箱の大きさに比例し、取り出した「Bench/Test Table Easy V2.5 Metallic Grey」(以下:Bench/Test Table)本体も、やはり大きかった。
1.5mm厚SECCのシャーシ本体サイズはD445×L440×H210mmで、対応フォームファクタはE-ATX/ATX/MicroATX/Mini-ITXとなり、Nano-ITX/Pico-ITX以外ならばなんでもOKとばかりに、これまで見たこともない迫力あるもの。“簡易”どころか製造過程で抜き取った未完成なHTPCケースと言ったところだ。裏を返せば製品自体のクオリティの高さはこの段階でも推し量ることができ、このまま設計を変えるだけで工作精度の高い横置きケースとして十分販売できるほどの完成度は、Made in Italyのなせる技。フェラーリを生んだピニンファリーナの国である事を忘れてはいけない。
箱に収められている構成部品を並べてみたところ。なおこの段階ではマニュアルを見ずに仮組しているため、底面プレートが逆付けされている点は水に流して頂こう | 改めて画像を見ると当たり前ながらも「ベンチ台なんだな」と思う。それにしても本当に大きい |
側面画像。トップ部から側面にかけての曲線部は非常に美しい。またエッジ部の処理も完璧な上、剛性が極めて高い。久々に「良いものを作ろう」と言う気概が読み取れる製品に巡り会った |
両側面下に打ち抜かれている文字。左は「made in italy」、右は「DIMASTECH V2.5」で、同社の製品に対するこだわりを窺い知る事ができる |
左から簡易マニュアル、ネジセット、USBポート、そしてまたネジ。とにかく部品点数が多い |
組み立て自体は至ってシンプル。完全ツールフリー仕様で、同梱のネジのほとんどがハンドスクリュータイプで、ナットを使って締め付ける部品についても頑張ればドライバを用意する必要は無い。
シャーシ部はコの字に曲げられたフレームに底面のプレートを左右各3カ所のネジで締め付けるだけで完成。ここまでかかった時間は5分程度で、難しい作業は一切無い。
さて次からは構成部品の組み立てに入るが、その前に少々説明しておくと、DIMASTECHではこのモデルの他に色々なバージョンおよびスタイルのベンチ台をラインナップしている。さらに各々は本体カラーバリエーションだけでなく構成部品もオプションで選ぶことができる。今回入手した「Bench/Test Table」は前述通り「Bench/Test Table Easy V2.5 Metallic Grey」で、紹介している各パーツはほぼフルオプション状態となっている。
ベンチマーク用テスト台の体をなしたところで、次は構成部品を組み立てて行こう。手元にはほぼフルオプションで、計10点のパーツがあり、それぞれの役割と搭載画像を中心にご紹介しよう。
拡張スロットももちろん組み立て式。スロット数は7本分は通常のATXケース同様 |
拡張スロット固定用ステイを裏から見た。糊代部分の角にネジ穴が用意されているため、ハンドスクリューでねじ込むには短いストロークでの作業となり、少々難儀。よくある話だがこのような点は、製造側も製品が完成して初めて気がつく部分。「それくらい我慢しろよ」と言うか、きちんと次期LOTでは改良されてくるのか。イタリア気質はどちらを選択するのだろう |
PowerとResetスイッチはこちら任せ(USBポートは完成品)。同梱のケーブルをスイッチユニットにネジ締めで完成。各スイッチはあらかじめ用意されたシャーシ側の穴にはめ込み、6角ワッシャで挟み込む事で固定ができる |
これがその穴。Power、Resetはもちろん任意で左右どちらに装着してもよい。右の四角穴は同梱されるUSBポート用で、プラスネジによる固定。余談ながら、「P」と「R」のフォントデザインがどこかイタリアン |
台形のゴム製インシュレーターは4つ。ゴム全体がハンドスクリューの様になっているため、装着はいたって簡単 | マザーボードベースのスペーサーネジ高は25mm。“高床式”でマザーボードを搭載させる事ができる |
電源ユニット用ステイと電源本体は4本のネジだけで固定するため、横方向に力が加わると若干心許ない | 薄ければマウスパッド、または超吸水ウエスのようなウレタン素材のマット。マニュアルの画から、電源ユニット下に敷くためのものらしい。確かに幅が合致するので、想像で使ってみる事に |
というわけでウレタンマットを装着してみた。やはりこの使い方は正解のようだ。なお電源ユニットの奥行きは220mmまでサポートされている | シャーシに電源ユニットを装着。電源ユニット底部はネジ留めされていないため、ACケーブルを装着する際はユニット本体に手を添えてアシストした方が良いだろう |
5.25インチベイは全3段。ハンドスクリューで固定させるが、必ずしもすべてのネジを使用する事はない | シャーシに固定するの画。ただし光学ドライブ等は先に固定しなければハンドスクリューを回す隙間はほぼ無いので注意 |
3.5インチベイは4段。2.5/1.8インチを使用する場合は、別途変換アダプタを用意する事になる | シャーシに固定するの画。ちなみに底面には無数の穴が空けられているため、任意箇所に移動するもよし |
各ドライブを搭載させてみたところ。5.25インチは左、3.5インチは右にレイアウトされる |
ここまで来れば立派なベンチ台。マザーボードベースの間隔はATXフォームファクタなので、その大きさがよく分かるだろう |
「一点突破」でお馴染みの構成で実際にマザーボードを搭載させてみる事に。25mm高のスペーサーネジに共通のハンドスクリュー(ミリ)を締め付けて固定。なおマザーボードを搭載させるために、一度拡張スロットステイを取りはずした |
拡張スロットステイを固定すると、いよいよベンチ台らしくなってきた。なおマザーボードトレイ部には下部のドライブ/PSUスペースから伸びるケーブル類を通すスリットが設けられている。ケースのサイズが大きいため、手持ちの電源ケーブルではぎりぎりの長さだった |
拡張スロットにグラフィックスカードを装着してみた。ミリ径のハンドスクリューで固定できるので、一応ツールフリーという事になるが、ワンタッチロック機構等はない |
ハンドスクリューはHDD等で使用するインチ径と、光学ドライブ等で使用するミリ径の2種類が同梱されている | オプション込みで1台をくみ上げるとこれだけのネジを必要とする。本数を数えてみたが、途中でやめてしまった、、、興味のある方は拡大画像でどうぞ |
次はオープン型ながら高エアフローレイアウトを実現するエアフロー部をチェックして行こう。オプション品を含め120mmファンを4基搭載できる「Bench Test/Table」ならではの魅力に迫る。