エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.41
2010.05.22 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
「R2」は非常にシンプルなデザインが採用されている。ややもすると“素っ気ない”とも見えるが、フラットなフロントドアに代表される凹凸の無いスタイルは、“日本人好み”かもしれない。それでは早速細部をチェックしていきたい。
内外装共にブラック塗装が施されている「R2」。こうして見ると、いわゆる“様子の良さ”が感じられる。PCケースは第一印象が重要 |
トップ部に2カ所、正面左側面には1カ所の120/140mmファン搭載スペースを用意。ブランク部にはフタがネジ留めされており、防塵&音漏れ対策が施されている。なお正面右側面はフルフラット |
背面。標準装備されているリア120mm排気ファン。また背面には水冷システム用ホース穴が上部横列に2口、右下部縦列に2口の計4口が用意されている |
フロントインシュレーター。直径は実測値で50mm。プラスチック製で、ゴムラバーが装着されている | リアインシュレーターは実測値直径24mm。素材は同じ |
拡張スロットは7段。Fractal designはどうもホワイトが好きなようだ。なお拡張スロットはハンドルネジ仕様 |
若干気になる天板の強度 |
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外装部をチェックして気付いた点に、天板の強度が挙げられる。筆者の癖で、PCケースに触れる場合、縦方向の強度を見るため天板を下に押してみるのだが、若干弱い印象を持った。さらにタッピングスクリューを使用して140mmファンを装着してみたが、予想通りねじ込む際に“べこべこ”と天板がトルクに負けて波を打ってしまった。 上下貫通型ドライブベイ採用により、フレーム強度は気にならないが、オプションの140mmファンを装着する場合は4本のネジへ均等にトルクをかけてやる必要があるだろう。なにも考えずにねじ込むと、せっかくの美しい外観が損なわれてしまう。 |
ドア付きPCケースはこれまで何台もリリースされているが、セットアップ時以外に光学ドライブを使う事のない筆者にとって、I/Oポートがトップ部等に用意されるスタイルには好感が持てる。
またフロントドアの長所として内部駆動音の漏れを防止する事ができ、さらに防塵効果が期待できる。逆に短所としてフロント部からの十分な吸気ができず、内部温度上昇が懸念されるわけだが、どちらを取るかはユーザー次第と言ったところだろう。
ただし「R2」で言えば高いTDPのプロセッサやハイエンドなグラフィックスカードで構成する場合をのぞき、後述するエアフローレイアウトからさほど気にする必要は無いだろう。そこはひと頃のフロントドア付きPCケースから確実に進化しており、内部エアフローレイアウトの恩恵を存分に受けていると言える。
特許出願中という“ModuVent”デザインを採用する「R2」。フロントドアはマグネット開閉式で、“カチッ”と感が非常に良い |
フロントドアを開くとまたドアが?これはフロント120mmファンのメンテナンス用に設けられたもので、上下分割で開閉する事ができる |
フロントドア内側にはウレタン素材の吸音シートが貼り付けられている。言うまでもなく音漏れ対策で、比較的開閉頻度が高いユーザーが使用しても簡単には剥がれそうに無い。なおオープンベイは5.25インチ×2段で、うち1段は3.5インチオープンベイとしても使用可能。トップ部I/Oポートは、USB2.0×2、eSATA×1、音声入出力を備え、中央部にはパワースイッチがレイアウトされている |
ファンフィルターメンテナンス扉は必要 |
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「R2」では、マグネット開閉式フロントドアを開けるとさらに内部扉が縦2段用意されている。プッシュロック式小扉の正体はハードディスク冷却120mmファン用フィルタのメンテナンスのためのモノだ。PCケースでは最も埃が溜まりやすいフロント部のメンテナンスは欠かせない。その必要性は説明するまでもなく、風量低下の改善やファン寿命にも大きく関係する。 使用頻度が低いフィルターメンテナンスのためだけに用意された小扉はユーザビリティの観点から有用性は高いと言えるだろう。コストの面から言えば、製造工程を減らす事のできるこのような付加価値はカットの対象になりがちだが、敢えて採用したFractal designの“心意気”には好感が持てる。なおフィルタメンテナンスだけでなく、120mmファン装着もここから行う事が可能で、これについては後ほど画像を交えてご紹介したい。 |