エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.41
2010.05.22 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
欧州市場を中心に人気の高い「Define R2」。日本市場にもマッチしそうなこのモデルの生みの親であるFractal designのManaging DirectorであるHannes Wallin氏からエルミタ編集部、そして国内市場にコメントを寄せて頂いたのでここに紹介したい。
日本国内マーケットへのコメント |
---|
まずはFractalDesignついての成り立ちを簡単に紹介します。私達は2008年にスウェーデンで創立、このPCマーケットにおいては新興メーカーと言えます。しかし、私達メンバーはPCケース、電源ユニット、ケースファン等のビジネスにおいて何年もの経験をもっており、それを製品デザインに応用しています。 2009年10月には初めてのPCケースとなる「Define R2」をリリースしました。これは世界中で成功を収め、多くのマーケットに参入するきっかけのモデルとなりました。そのスタイリッシュかつ上質な北欧デザイン、そして多くのギミックを取り入れ、高い評価を受けました。 またEU諸国での想定売価は89ユーロ(20%の付加価値税含む)、アメリカで99ドル(w/o VAT)の価格設定も大きな特徴です。 その成功を収めた私たちは、まもなく「Define R3」をリリースします。これは「Define R2」の改良版で、美しいホワイトカラーモデルがラインナップされます。 恐らく日本市場に登場すれば「R3」のみが販売される事になるでしょう。 |
こういうのを“駆け足で”と表現するのだろう、PCケースのレビューをする時にいつもそう感じて反省する。だが、今回もその反省を活かすことなく早くも総括となってしまった。
日本のユーザーには馴染みのないFractal designとコンタクトを取り始めたのは今年3月の事。たいへんレスポンスも早く、そこから日本市場に大いなる興味を持っている事は容易に想像ができた。また世界的に見てもまだまだ自作が盛んで、製品には非常にシビアなユーザーが多い事をよく知っており、日本国内で“勝負ができるのか?”という点を非常に気にかけていた事も印象深い。
冒頭、暗示をかけるかのごとく、敢えて他社モデルを引き合いに出したが、「R2」を隅々までチェックし終え、“足して2で割らなかったPCケース”、そんなフレーズが浮かぶ結果となった。つまり10と10を足して2で割ると結局10となり、良いところだけを採る、言い換えれば“真似る”だけになってしまうところを、「R2」は10と10を足して1.5で割る事で、10以上のプラスαを捻出しようとした意図が窺えるモデルだった。
確かに“似ている”箇所は多いかもしれないが、彼の国のコピー自動車等とは明らかに違う。自作ユーザーが今欲しているリクエストになんとか応えようとしている気概を「R2」からは感じ取る事ができた。
褒めてばかりいても気味が悪いので、最後に苦言を呈するならば、やはりクオリティに関する宿題を残してしまっている点は少々残念と言わざるを得ない。ただしこれは「R2」に限った話になる可能性がある。
Fractal designからのコメントにもあるように、まもなく「Define R3」がリリースされる事になっているからだ。
実は今回、「R3」のサンプル到着まで掲載を待つか非常に悩んだが、マイナーチェンジである事、さらに各国のマーケットで「R2」は高い評価を得ている事を踏まえ、「R3」は次の機会に譲る事とした。
執筆時現在、既に複数の日本国内業者からのオファーが入っているので、そう遠くない将来、国内パーツショップで入手できるようになるだろう。その日が来るまで楽しみに待つことにしたい。「R3」が来る確率は高い。