エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.140
2012.05.07 更新
文:GDM編集部 絵踏 一/松枝 清顕
実際に動作をさせての検証を行う前に、MSIオリジナルVGAクーラーの自信作「Twin Frozr IV」にフォーカスし、解説をしておこう。
冒頭でも触れたように、「Twin Frozr IV」はMSIが積極的に導入するオリジナルVGAクーラーの4代目にあたる最新モデル。PCBからはみ出さんばかりの大口径デュアルファンを備えたその 容姿は存在感抜群。各グラフィックスカードベンダーが投入するオリジナルVGAクーラーに比べても現時点最強クラスの製品である事は容易に想像ができる。
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歴代「Twin Frozr」シリーズ、その一部を紐解くと、いずれも共通して冷却ファンを2基搭載し、GPUやメモリだけでなく熱源となる電源コンポーネント周辺まで冷却させようという明確な意図が見て取れる。
これまでのテストから、近頃のハイエンドグラフィックスカードはGPUのみならず強化された電源周りの発熱が無視できないレベルに達している製品が多 い。電源コンポーネントの特性上、ヒートシンクを用いた冷却は難しく、ここはやはりエアフローに頼るしかない。その意味においても、「Twin Frozr」シリーズのようにデュアルファン仕様のVGAクーラーはハイエンドグラフィックスカードのマストアイテムとみていいだろう。
バリエーションモデルを挟みながら改良を重ねる「Twin Frozr」シリーズは、これからも進化し続けていくはずだ。
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テストを行う前に、「Twin Frozr IV」の冷却性能をチェックしてみる。ここでは敢えてGPU温度ではなく、アイドル時と「3DMark11 Version 1.0.3」実行時の高負荷状態でそれぞれヒートシンク温度を計測。加えて騒音値も計測してみたい。
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ヒートシンク3箇所の温度計測はアイドル時17.4~17.8℃で大きな差はないものの、高負荷時は25.2~30.2℃とばらつく。最大はメモリ用2 フェーズ、VDDCI(PCI Express電源)電源回路付近で、ほぼ想像通りの結果だった。なお計測時の室内温度は15.3℃だが、この程度のヒートシンク温度であれば、もちろん 問題はなく十分冷却されているといえるだろう。
騒音値についてはアイドル時33.3dBAは静音動作だが、高負荷時36.1dBAは少々音が目立つ。100mm口径でインペラも大きく、ある程度の風切り音は覚悟の上といったところだろうか。