エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.140
2012.05.07 更新
文:GDM編集部 絵踏 一/松枝 清顕
最後にDirectX 10世代のゲームベンチ「BIOHAZARD5ベンチマーク」を使用した計測を行った。品質設定は「アンチエイリアス」を“8×”、「モーションブラー」 を“オン”、それ以外を“高”に設定し、1280×720と1920×1080の2パターンの解像度での計測を行った。
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CPUがボトルネックになっているせいもあり、ほとんど誤差のような結果に。とはいえ100FPSを優に超えるスペックは、このクラスのゲームを楽しむ上では十分といえる。
それではオーバークロックによる恩恵を確認したところで、今度は消費電力の違いを確認しよう。もはやオーバークロックに手を染めている時点で気にする必要はないともいえるが、ピーク時の電力などは搭載電源ユニットを選ぶ際の参考になるかもしれない。
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アイドル時はさすがに省電力技術が働いているおかげで、まったく差はついていない。しかし一度負荷がかかるや、オーバークロックモデルは定格比で63W も消費電力が増加している。電気代云々の話はさて置き、オーバークロックを考えている人は搭載電源ユニットにも強力なモデルを用意した方がよいだろう。
高解像度でも遺憾なくパフォーマンスを発揮する「R7970 Lightning」の性能は非常に印象的で、数あるHD 7970製品の中でも間違いなく最高峰に位置するモデルであろうことが確認できた。ヘビーなゲーマーをも唸らせるその実力はまさに“ホンモノ”。しかしそ こで気になってくるのは、6万円台後半の実売価格かもしれない。
とはいえ、「Lightning」の存在感を際立たせているのは、その派手な価格以上に、優れたパフォーマンスのさらに上を目指せるポテンシャルの高さ だ。攻めた設定で最上を求めるパワーユーザーはもちろん、手軽な設定でも性能向上を体感できるため、初心者でもオーバークロックが十分に楽しめる。ユー ザーの手により生み出される追加パフォーマンスを考慮すれば、必ずしも割高とはいえない。それにピーク時の冷却性能にフォーカスした大型クーラー 「Twin Frozr IV」や、オーバースペックともいえる電源強化基板など、信頼性の高いコンポーネントの数々は、長くグラフィックスカードを使いたいというニーズにもマッ チするだろう。
もちろん歴代の「Lightning」が担ってきた極限のオーバークロック性能も健在だ。さらなるリッチな環境を追求したいヘビーなゲーマーや、カード の限界ギリギリを探るオーバークロッカーたちにとっては、価格を度外視しても十分検討に値する。「R7970 Lightning」は、扱うユーザー次第で様々な楽しみ方を与えてくれる強靭なグラフィックスカードといえるだろう。