エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.143
2012.05.17 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
GeForce GTX 680は、前モデルのGeForce GTX 580以来、約1年半ぶりに登場したNVIDIAのハイエンドGPUだ。製造プロセスは40nmから28nmへと微細化を果たし、消費電力も244Wから195Wへと大幅に低下した。これによりPCI-Express補助電源はハイエンドとしては控えめな6pin×2構成に収まった一方で、動作クロックはリファレンスで1GHzを超え、NVIDIAによれば“先代”GTX 580に比べ2倍のワットパフォーマンスを達成したとされる。
従来GeForceシリーズのハイエンドモデルがもっていた、高パフォーマンス・高消費電力・高発熱という大艦巨砲的な立ち位置はもはや過去のもの。イメージを覆し大きな転換を果たしたといえるGTX 680は、非常に使いやすいグラフィックスカードとして仕上がったといえる。
さらにGPUを動的にオーバークロックする「GPU Boost」など注目すべきトピックは多いものの、そちらは発表記事や、リファレンスモデルレビュー『エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.137 ワットパフォーマンスに自信あり。「ZOTAC製GeForce(R) GTX 680」を試す』に詳しいので合わせて参照していただきたい。
ここで今回検証を行なっていくGTX 680のカスタムモデル、「GV-N680OC-2GD」をご紹介しよう。大きな特徴は、なんといってもGIGABYTE製ハイエンドグラフィックスカードでは定番となった高性能クーラー「WINDFORCE 3X」の存在だ。これまで何度もレビューで取り上げてきた通り、動作音の静かさと高い冷却性能は折り紙つき。GTX 680の冷却においても、そのパフォーマンスを遺憾なく発揮してくれるだろう。
そして優れたクーラーを戴く「GV-N680OC-2GD」は、ベースクロックが1,071MHz(リファレンス:1,006MHz)、ブーストクロックが1,137MHz(リファレンス:1,058MHz)へとチューンされたオーバークロックモデルだ。それ以外はリファレンスに準拠したスペックで、メモリクロック6,008MHz、バス幅256bitでGDDR5 2,048MBのメモリを実装する。なお搭載するCUDAプロセッサ数は1,536基。
出力インターフェイスはDVI-I×1、DVI-D×1、HDMI×1、DisplayPort×1が用意され、最大4画面を出力可能。オーバクロックに伴いPCI-Express外部電源は8pin+6pin(リファレンス:6pin×2)へと変更された。また推奨されるシステム電源容量は550Wとなっている。