エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.143
2012.05.17 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
次にベンチマークテスト中のGPUコア温度とファンの回転数をチェックしてみよう。数値の確認には「GPU-Z 0.6.2」を使用し、「3DMark11 Version 1.0.3」実行時のデータを計測している。
フルロード時でもコア温度は66℃を超えることはなく、「WINDFORCE 3X」により効果的にGPUコアが冷却されているのがよく分かる。ファンの回転数も最大で47%にあたる2,400rpmに収まっており、その冷却能力にはまだ十分な余力があるようだ。「WINDFORCE 3X」はユーザーの手によるオーバークロック設定や、電力ターゲット引き上げによるブーストクロック上昇にもしっかりと対応することができるだろう。
最後にアイドル時とベンチマークテスト中の消費電力を確認しておこう。「3DMark11 Version 1.0.3」実行時の消費電力変化をそれぞれワットチェッカーを使用して計測している。
SLI動作時の消費電力は、アイドル時こそ省電力機能により22W増となる90Wに収まったものの、フルロード時には2倍近くの493Wに増加した。GTX 680のSLI導入にはハイエンドクラスの電源ユニットを用意する必要があるのは間違いないが、そのパフォーマンスを欲するならばやむを得ない投資と考えた方がいいかもしれない。
ここまでのセッションを振り返ると、生まれ変わったNVIDIAのハイエンドGPU、GeForce GTX 680の確かな性能は十分に体感できた。さらにSLI動作においては、フルスペック動作ではないにも関わらず印象的なパフォーマンスを披露してくれている。GTX 680は現行最上位クラスのシングルGPUであることは間違いなく、さらにSLIにより生み出される境地はどんなハードコアユーザーをも満足させるものだろう。
とはいえ、現状それだけの性能を必要とするコンテンツがどれだけあるかは疑問で、多画面出力によるヘビーな大画面ゲームプレイなどにその答えを求めるしかない。極まった一部のエンスージアストをのぞけば、基本的にはリッチな環境を1枚で実現する扱いやすいハイエンドグラフィックスカードとして、幅広いユーザーに浸透していくことになるだろう。
そして今回のテーマに話を戻すと、「GV-N680OC-2GD」は数あるGTX 680搭載グラフィックスカードの中でも際立った存在といえる。その理由となるのは、なんといっても抜群の冷却性能を発揮する高性能クーラー「WINDFORCE 3X」。テスト中も騒音が気になるシーンは一切なく、フルロード時も余裕を残す冷却能力の高さはさすがのひと言。
GTX 600シリーズから実装された自動オーバークロック機能「GPU Boost」は電力供給や消費電力、発生する熱にその性能の伸び幅を大きく左右される。その点優れたクーラーを搭載する「GV-N680OC-2GD」は、電力ターゲット調整によるブーストクロックの伸長や、ユーザーの手によるさらなるオーバークロックにも柔軟に対応できる。今からGTX 680のカスタムモデルを手に取ろうというユーザーにとって、「GV-N680OC-2GD」は魅力的な選択肢になるはずだ。