エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.154
2012.07.09 更新
文:GDM編集部 池西 樹
基板構成をみる限り、上位モデルとほとんど変わらない「Agility 4」だが、ここからは実際に動作させ、気になる性能をチェックしていこう。なおベンチマークソフトには「AS SSD Benchmark 1.6.4237.30508」、「CrystalDiskMark 3.0.1c」、「HD Tune Pro 4.60」、および「ATTO Disk Benchmark 2.47」の4種類を用意した。
テストはこれまで同様、OS、ドライバ、ベンチマークソフトのみをインストールしたシステム用のHDDを別途用意し、SSD自体にはデータを一切書き込んでいない。また余計な負荷が掛からないよう、ネットワークケーブルは接続しない状態で行った。
まずはいつも通り「AS SSD Benchmark 1.6.4237.30508」のCompression Benchmarkを使って、データの圧縮率によるパフォーマンスの違いをチェックしていこう。
「Everest」を搭載したエントリーモデル「Petrol」や「Octane SATA2.0」では不安定な傾向を見せていたが、「Agility 4」では読込390MB/sec、書込300MB/secとほぼ公称値通りのスコアを計測。グラフもフラットで、圧縮率に関係なく安定した転送ができている。
「AS SSD Benchmark 1.6.4237.30508」の結果から、シーケンシャルアクセスは圧縮率に関係ないことが確認できた。次に「CrystalDiskMark 3.0.1c」を使ってランダムアクセスの違いをチェックしてみよう。
データサイズは1000MBに固定し、圧縮率の低い「デフォルト (ランダム)」、圧縮率の高い「All 0x00 (0Fill)」「All 0xFF (1Fill)」の3種類のテストデータを使用してベンチマークを行った。
シーケンシャル、ランダムアクセスとも結果に大きな違いはなく、圧縮率の影響はないことがわかる。よって以後のベンチマークはテストデータ「デフォルト(ランダム)」のみで行うことにした。
シーケンシャルアクセスは、読込約370MB/sec、書込約285MB/secで公称値をやや下回るが、もともと低めに出るベンチマークであることを考慮すれば十分及第点。
ランダムアクセスは、4Kが読込約21MB/sec、書込約88MB/sec。4K QD32は、読込約225MB/sec、書込約290MB/secとエントリーモデルとはいえ、かなり高速だ。ちなみにIOPSに換算すると、4KQDはそれぞれ55,000 IOPSと69,000 IOPSで、公称値に肉薄するパフォーマンスを発揮する。
またデータサイズによるスコアのブレが小さい点も評価したい。これは「Vertex 4」も同様の傾向で、「Everest 2」の安定性の高さを証明する結果と言えるだろう。