エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.155
2012.07.12 更新
文:テクニカルライター 藤田 忠
次は人気3Dゲームの「Diablo Ⅲ」と「Photoshop Lightroom 4」を使って性能差をそれぞれ計測だ。
ちなみに、なぜゲームで確認?と思うかもしれないが、CPU内蔵のGPUが描画に利用するメモリ領域は、メインメモリを使用するため、メモリ速度がフレームレート(fps)に影響することが結構あるのだ。
睡眠不足ゲーマーを続出させている人気ゲーム「Diablo Ⅲ」。解像度と描画設定次第ではCPU内蔵GPU機能の「Intel HD Graphics 4000」でも、フレームレート30fpsオーバーでのプレーが可能だ (C) 2012 Blizzard Entertainment. All rights reserved. |
解像度1366×768ドットの描画設定標準(HIGH、Medium混在)で、60秒間のフレームレートを計測すると、2400MHz動作時はAvg(平均)フレームレート40オーバーを達成。1600MHzから1割程度の向上に収まっているが、40オーバーならモンスターがうじゃうじゃと出てくるシーンでもカクツキない快適プレーが可能だ。
「Photoshop Lightroom 4」を使って、210枚のRAWデータをJPEGに書き出した際の時間をストップウォッチで計測 |
メモリにデータを展開する静止画編集での効果は絶大のひと言で、1600MHzと2400MHzでは33秒も書き出し時間が短縮している。1枚あたりでは、約0.15秒ほどだが書き出し時の補正やフィルター次第では、より顕著に効果が出る可能性も秘めている。
「Sandra 2012 SP2」のメモリ帯域の速度差がそのまま実アプリのパフォーマンスに反映されるわけではないが、2400MHz動作のメモリを使用する恩恵は十分あると言える結果だ。
オーバークロックメモリは買いと言えるパフォーマンスを発揮してくれた「PXD38G2400C11K」。さらなるパフォーマンスアップを目指して、CASレイテンシを手動で変更してみたが、CL10-10-10設定は1.7Vまで電圧を上げても「Diablo Ⅲ」で描画が化けるなど安定動作は厳しかった。個体差もあるが、今回試した製品では1.7VのCL10-11-11-28-1Tが限界だった。なお、この設定で「Photoshop Lightroom 4」を計測すると、書き出し時間はXMP設定から8秒短縮した5分31秒で処理が完了した。
同容量のPC3-12800(1600MHz)デュアルチャンネルセットよりも7,000円前後高くなる「PXD38G2400C11K」だが、十分元が取れるパフォーマンスを発揮してくれると言える。多くのメモリを使用する「Photoshop Lightroom 4」などの静止画編集アプリやCPU内蔵GPUでのゲーミングを行なうユーザー、これから「Ivy Bridge」プラットフォームで組むユーザーなどは、狙ってみる価値アリだ。
ただし、前述した通りPatriot Memoryはマザーボードの動作確認リストが無いので、購入ショップの相性交換保証などへの加入はマストなのを覚えておいてほしい。