エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.157
2012.07.20 更新
文:GDM編集部 絵踏 一/松枝 清顕
本項では、MSI製のオーバークロックツール「Afterburner 2.2.2」を使用し、「N680GTX Lightning」のさらなるパフォーマンスアップを試してみたい。
まずその前に少々触れておきたいのが、GeForce GTX 680搭載されている自動オーバークロック機能といえる「GPU Boost」。ざっくり言えば、「Power Target」に設定された消費電力の範囲内において、クーラーの冷却能力の許す限り動作クロックを引き上げるというもの。(本当はもう少し複雑) 動作クロックを直に引き上げる「GPU Clock Offset」設定を組み合わせれば、さらなるクロックアップを狙うこともできる。「Afterburner」では、Power Targetにあたる「PowerLimit」を最大133%まで設定可能で、その場合「N680GTX Lightning」のブーストクロックは1,189MHzまで上昇した。
なお、今回オーバークロックを試すにあたっては、各種保護機能を無効化したオプションの「LN2 BIOS」に切り替えて設定を行っている。これにより「CoreVoltage」が1.175vから1.212vに上昇するほか、「PowerLimit」も最大200%まで設定できるのだ。
今回使用したMSI製の定番オーバークロックツール「Afterburner 2.2.2」。オプションの「LN2 BIOS」に切り替えることで「PowerLimit」を最大200%まで設定可能だ |
コアクロックに絞ってオーバークロックを試みた結果、「Core Clock」(GPU Clock Offset)+90MHz設定時に安定し、ブーストクロックが出荷時の8%増となる1,292MHzまで上昇した。リファレンス比では20%前後のクロックアップを達成し、十分なパフォーマンスアップを果たしている。ただしオーバークロックにあたって一つの目安に設定していた1,300MHzには届かず、正直なところあまり“回らない”個体という印象だ。それでも目に見える性能上昇を危なげなく達成したのは評価したいところで、いわゆる“当たり”個体を引いた場合の爆発的なパフォーマンスアップにも期待がもてそうだ。
ちなみにユーザー自身によるオーバークロックは一般的にメーカーの保証対象外の行為のため、最悪グラフィックスカードを破損してしまっても自己責任となることを覚えておこう。
「GPU-Z 0.6.2」を使用して動作クロックをチェックする。ブーストクロックが1,292MHzに上昇しているほか、「LN2 BIOS」に切り替えたことでコア電圧が1.212vに変化している |
さて、「N680GTX Lightning」のオーバークロックを試したところで、実際にベンチマークソフトを使用したテストに移っていこう。
テストには出荷時の「Lightning」と上記の「オーバークロックバージョン」のほか、「Afterburner 2.2.2」によるクロック調節でリファレンススペックを再現して比較することにした。ただしその「リファレンスバージョン」はブーストクロックが1,072MHz(リファレンス:1,058MHz)までしか下がらなかったため、あくまで参考値としてとらえていただければ幸いだ。
また、NVIDIAコントロールパネルの電源管理を有効にした場合、どちらもコアクロック324MHz、メモリクロック162MHz、コア電圧が0.9870Vに低下。省電力機能が効果を発揮しているようだ。
なお、テストに使用した環境は以下を参照のこと。さらに今回の計測には、エムエスアイコンピュータージャパン株式会社よりIntel Z77Expressマザー「Z77A-GD65」を借り受け、テストに使用している。以前のレビューでも取り上げた通り、信頼性やオーバークロック耐性に優れたハイエンドモデルで、「N680GTX Lightning」との組み合わせもバッチリだ。
「N680GTX Lightning」出荷時の動作を「GPU-Z 0.6.2」でチェックする。負荷時にはブーストクロックが約1,189MHzまでアップしている |
こちらはリファレンスクロックまでベースクロックを調節した際のもの。ブーストクロックはリファレンスよりやや高い1,072MHz表示で、負荷時には1,084MHzに上昇している |