エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.157
2012.07.20 更新
文:GDM編集部 絵踏 一/松枝 清顕
それではベンチマークテストを終えたところで、動作中のGPU温度を確認し、「Twin Frozr IV」の冷却性能をチェックしてみよう。負荷テスト用ソフト「OCCT 4.2.0」実行中の最も高い数値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時とし、「GPU-Z 0.6.2」を使用した計測を行った。
出荷時クロックは多少回転数が増したせいもあり、リファレンスと比べても誤差の範囲と言っていい温度推移に収まっている。OCバージョンでは当然ながら温度が最も高くなったものの、クーラー稼働率も6割ほど。まだまた「Twin Frozr IV」の冷却能力には余裕がありそうだ。
今回は恐らくチップの耐久性がオーバークロックのボトルネックになったと思われるが、もしクーラーの限界に迫るほどの“当たり”個体ならば、かなりの性能向上が達成できるハズだ。
最後に、「N680GTX Lightning」の消費電力も忘れずにチェックしたい。GeForce GTX 680はワットパフォーマンスの高さもウリのひとつとはいえ、オーバークロックレベルの違いが消費電力にどれほどの影響を与えているかは見ておいて損はない。
負荷テスト用ソフト「OCCT 4.2.0」実行中の最も高い数値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の最も低い数値をアイドル時の数値とし、ワットチェッカーを用いた計測を行った。
省電力機能が働いているアイドル時はほぼ変わらないものの、クロック上昇に合わせて順調に消費電力は増大している。OCバージョンにおけるリファレンス比60Wの電力増はある意味想定内といえるもので、影響の大きさはユーザーが使用する電源次第。とはいえオーバークロックを考える場合、複合的な要因がパフォーマンスに影響するGTX 680の特性上、ある程度パワフルな電源をチョイスした方がいいかもしれない。
電力供給量に優れた独自の強化基板と、パワフルな「Twin Frozr IV」の組み合わせを装備する「N680GTX Lightning」。高い上限値をもつPowerLimit設定を駆使しつつ強力に冷やすというコンセプトは、「GPU Boost」の概念ともピッタリとマッチするものだ。カードのもつ余裕の範囲内で無理なくオーバークロックを試せるため初心者にも優しく、最強装備を手に究極の境地を開拓するパワーユーザーにも夢を与えてくれる。
今回は極限のパフォーマンスを達成するところまではいかなかったものの、カードのもつ優秀さとそのポテンシャルは十分に体感できた。これほどの条件が整ったカードはそう多くはなく、買った以上オーバークロックを試さないのはもったいない。ギリギリまでOCできるカードを探している、とりあえず一発速いカードを試してみたい、理由はどれでもよし。是非「Lightning」で“アタリ”を掴み、一番テッペンにタッチしてほしい。