エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.161
2012.08.01 更新
文:GDM編集部 池西 樹
画像でのチェックが終了したところで、まずはOpteron 3280と3250HEの動作を確認していくことにしよう。ちなみに「990FX Extreme4」では、AMD FXシリーズはすべてのCPUが「CPUサポート一覧表」に記載されているが、Opteronシリーズについては一切記載がなく正式対応は謳われていない。
Opteron 3280のUEFI動作状況。Processor Typeには「AMD Opteron(tm) Processor 3280」と表記され、Processor Speedも定格動作である2400MHzに設定されている
Opteron 3280、3250HEともUEFIでの認識、OSの起動、ベンチマークテストすべての動作で特に問題はなかった。唯一気になるのはOpteron 3280でCPU倍率が17倍の3400MHzまでしか設定できなかった点。他のマザーボードが手元にないため、詳細な原因は不明だが、こういった症状もあることだけは覚えておいて欲しい。
いずれにせよ、倍率ロックによりOpteronシリーズの高クロック動作は期待できそうにない。ただし、省電力が売りのCPUをわざわざオーバークロックさせるのは少々ナンセンス。性能を追求するなら素直にAMD FXシリーズを選択したほうがいいだろう。
Opteronの動作が確認できたところで、ベンチマークテストへ移っていく事にしよう。今回は比較対象に、4コアのPhenom II X4 965 Black Edition(以降965)と6コアのPhenom II X6 1090T Black Edition(以降1090T)の2モデルを用意。いずれもAMDプラットフォームでは人気を博したモデルで、未だに愛用しているユーザーも多いだろう。ただしいずれもTDPが125Wと高く、今時の節電志向にはややそぐわない面があるのも事実。これらのCPUから乗り換える場合でも、十分な性能を備えているのか確認してみたい。
まずはCPUベンチマークの定番CINEBENCH R11.5を使ってシングルコア、マルチコアの性能をそれぞれ確認していこう。
CINEBENCH R11.5
シングルコアでは、1090Tと965のPhenomシリーズが1.00ptsを超えOpteronの2モデルを大きく引き離した。コア単体性能ではやや振るわない「Bulldozer」アーキテクチャの特徴が出た結果といえる。続いてマルチコアに目を向けると、こちらは8コアのOpteron 3280がわずかながら965を抜き2位につけた。マルチコアに最適化されたアプリケーションを多く利用する場合、Opteron 3280はなかなかいい選択肢になりそうだ。一方Opteron 3250HEはマルチコアでも2.19ptsとその他のCPUに大きく置いていかれている。
Sandra 2012 SP2 プロセッサ性能
Sandra 2012 SP2 マルチメディア処理
「プロセッサ性能」を確認すると、「CINEBENCH R11.5」では大きく置いていかれていたOpteron 3250HEが健闘し、Dhrystone ALUでは965に迫る好スコアを記録。またOpteron 3280は、Dhrystone ALUで1090Tを上回り、総合パフォーマンスもあと一歩に迫る性能を発揮する。
次に「マルチメディア処理」だが、こちらは整数性能を中心にOpteronが良好で、総合スコアもOpteron 3280がトップ。Opteron 3250HEも965を上回った。ただし浮動小数点や倍精度の処理は苦手にしており、かなり得手不得手がはっきりしている。