ヒートシンクにサンドイッチされる38mm厚140mmファン
「SST-HE01」に標準搭載される冷却ファンは、38mm厚の140mm口径モデルが採用されている。38mm厚は一般的な25mm厚に比べインペラの角度が大きくなり、静圧力が高く大風量化できるメリットがある。反面、風量が増える事で動作音が気になるところだが、最低回転数500rpmから立ち上がるワイドレンジ設計により、数値上では静音動作も期待できそうだ。
140mm口径標準ファン。最近の製品としては珍しく、ボールベアリングが採用され、製品寿命80,000時間を実現。スリーブベアリングよりもコスト高なはずだが、耐久性を優先させた
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ファンコネクタはPWMに対応する4pin仕様。またフレーム部に搭載されたスイッチで、最大回転数を1,200rpmまたは2,000rpmに切り替えて使用する事ができる。なおスイッチ部基板のシルクには「Q(quiet)-P(performance)」と表記されている |
冷却ファン固定は専用ワイヤークリップを使用。サイドフロー型CPUクーラーではもはやお馴染みのスタイル。ちなみに140mmファンをラウンド形状にすることで、ネジピッチをより汎用性が高い120mmタイプにする事ができている
エアフロー強化に対応。冷却ファンを増設してみる
単体でも最大171CMのエアフローを生み出す強力な標準140mmファンだが、さらにエアフローパフォーマンスを強化することができる。
「SST-HE01」には、増設用ファン固定用ワイヤークリップが2セット付属され、最大3基での運用が可能。空冷最強クラスを狙う設計は、オーバークロッカーにも注目のギミックとなるだろう。
標準搭載の140mmファンに加え、さらに2基の冷却ファンを追加搭載する事ができる。なお製品サイトには「120mm/140mmファンが増設可能」と記載されているが、ワイヤークリップは120mm口径ファンネジピッチ専用。せっかくならば140mmファンを選択したいところだが、通常のスクエア形状で120mmファンネジピッチを探すのは困難。編集部にも手持ちがなかったため、やむなく120mm口径ファンを搭載させてみた。余談だが、ネジピッチに関する注意事項は記載がなく(さらにリブ無しである必要があり、その記載も無い)、極めて不親切。きちんとマニュアルにも記載すべきだ
メーカー製品画像を見ると、標準140mmファンの固定は、幅が広い側のヒートシンクにワイヤーを掛けているが、3基で運用する場合、これを幅が薄い側のヒートシンクに付け替えなければワイヤー同士が干渉してしまう。増設方法および搭載イメージは明記されておらず、これには筆者も頭を悩ませ、メーカーに確認をとったほど。少し考えれば分かることながら、これも極めて不親切。もう少しユーザー目線に立ってほしいところだ