温度上昇に苦労した「GTX680-SOC WHITE」の出力操作

「GTX680-SOC WHITE」出荷時のベンチマークスコア。この時のブーストクロックは1,241MHz、メモリクロックは6,008MHzだ

「XtremeTuner Plus 1.04」でGPU Vcoreをチェックする。最大で1.174Vと多少高めの出力で動作しているようだ

さて、次は「GTX680-SOC WHITE」を試す番なのだが、前述の通り個人の私物という点が非常に気がかり。本人からは「気にせずシバイてくれ」とキップのいい言を頂戴していたものの、やはり“最悪の事態”は避けたいところ。そこでGPUコア電圧の昇圧は見送り、「Power Target」と「GPU Clock Offset」、ファン回転数のみを調節する少々気の抜けたシバき方で挑むことにした。

　そういった事情もあり、「GPU Clock Offset」を＋50MHzにセットした段階でベンチマークがストップ。早速に「OC PANEL」の出番と相成った。まずは「GTX560TI WHITE3」と同様出荷時クロックで電圧調整の挙動をチェックしたところ、こちらは1.1750Vより下ではベンチマーク自体が完走しないという結果に。そもそも出荷時クロックの電圧（負荷時）も1.1750Vだったため、最低限このラインは必要ということなのだろう。

「GTX680-SOC WHITE」で鬼門になったのは「Graphics Test 4」のこのあたり。うっかり温度を上げすぎると容赦のないブラックアウトが待っている

コツとタイミングは前回である程度把握できているためあっさりと目標達成と思いきや、やはりそうは問屋が卸さない。安定動作させるには「GTX560TI WHITE3」より比較的高めの電圧設定を行き来する必要があり、温度管理の難易度が上がっている印象だった。
　それでも何度目かの挑戦の後、なんとか「GPU Clock Offset」＋50MHzでの完走に成功。「GTX680-SOC WHITE」においても「OC PANEL」で無理やり壁を越えることはできるようだ。ちなみにこの後も懲りずに「GPU Clock Offset」を積み上げて＋100MHzでの完走も達成したのだが、この場合は逆に出荷時クロックよりもスコアが低下してしまった。GeForce GTX 680のもつ「GPU Boost」機能は温度上昇にも非常に敏感なため、思い切り温度を下げられる極冷環境の方がより真価を発揮できるかもしれない。

多少物足りないスペックアップなものの、こちらでも通常時の壁は「OC PANEL」で突破可能。手付かずの設定項目も多いため、実際にはさらなる性能向上も狙えるはず

50MHzのスペック上昇の影響でベンチマークスコアも微増。「GTX680-SOC WHITE」の場合は温度管理に苦労したという印象が残った

「HWiNFO64 v4.02」で完走時のGPU Vcoreを確認する。「GPU Clock Offset」設定を反映し、ブーストクロックが1,305MHzまで上昇していた