エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.165
2012.08.26 更新
文:テクニカルライター 藤田 忠
続けて、実アプリケーションによるテストを実行しよう。「Diablo Ⅲ」は、解像度1366×768ドットの描画設定標準(HIGH、Medium混在)で、60秒間のフレームレート(fps)を「FRAPS」を使って計測。実行したマップは、「NEW TRISTRAM」で極力同じ動作を行なっている。
アベレージと最低fpsを計測すると、メモリ速度ごとに2fps程度の差は出たものの、正直体感できるレベルではなく、誤差の範疇とも言える結果になった。ゲームや描画設定によっては、もう少し差は広がる可能性はあるが、大きな期待は禁物だろう。
最後にAdobe「Photoshop Lightroom 4」を使って、210枚のRAWデータをJPEGに書き出した際の時間を計測すると、メモリ速度とともに現像時間は短縮したが、その差は7秒程度に収まっている。現像時の設定などで処理に要する時間は変わるが、ここでもPC3-15000(1866MHz)の優位性はわずかと言わざるをえない結果となっている。
PC3-15000(1866MHz)で動作する「PV38G186C9K」の性能を見てきたが、なかなか万人にオススメと言うのは難しいところだ。Patriot MemoryのViper IIIシリーズ自体は信頼性、安定性ともに高く、価格もお手ごろなのでオススメだが、速度面ではPC3-15000(1866MHz)とPC3-12800(1600MHz)に大きな性能差はない点は覚えておこう。
ただ、「PV38G186C9K」ならCPUオーバークロック時に、BCLKを116MHzまでアップしても、定格となる1866MHzの範囲内に収まるなど、PC3-15000(1866MHz)ならではのメリットはある。設定次第では電圧アップが必要になるが、手動オーバークロックすることで、より高いクロックやCASレイテンシ、メモリアクセスタイミングで動作する可能性も秘めているので、オーバークロックをいろいろ試してみたいユーザーには良い選択肢と言えるだろう。