エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.173
2012.09.13 更新
文:GDM編集部 絵踏 一/松枝 清顕
GV-N680SO-2GD 市場想定売価税込68,000円前後 製品情報(CFD販売株式会社) |
まずGIGABYTE「GV-N680SO-2GD」の最大のトピックとなるのはその威容。“デカイ、重い、速い”の三拍子が揃った大艦巨砲主義的なグラフィックスカードで、扱いやすさがクローズアップされることの多かったGTX 680製品の中でも一際異彩を放つ。実際に購入するかどうかという現実的な思考とは別に、自作派ならば一度は使ってみたいと思わせる魅力と迫力がある。
そしてその迫力の源泉となっているのは、やはり世界初となる5連装ファン搭載の巨大クーラー「WIND FORCE 5X」を戴く存在感だろう。周囲を圧倒する重厚そのもののプレッシャーは、数あるPCパーツの中でもトップクラス。過去「GIGABYTE Tech Tour 2012」や「COMPUTEX TAIPEI 2012」などのイベント会場にも度々出現し、ユーザーの期待感を膨らませてきた。当初6~7月に予定されていた発売は少々延びたものの、ここにきてようやくの再会。それだけにこの規格外なモンスターはどれほどのポテンシャルを秘めているのか、今から気になるばかりだ。
早速に「GV-N680SO-2GD」の巨体を眺め回してみたいのはやまやまだが、まずは慌てずにざっくりと概要からご紹介していこう。
最強レベルの冷却能力をもつ5連装ファンクーラー「WIND FORCE 5X」を装備するのは前述の通り。3スロット占有というハンディと引き替えに得た恵まれた冷却環境を生かし、「GV-N680SO-2GD」は数あるGTX 680グラフィックスカードの中でも屈指の高度なメーカーチューンが施されている。コアクロック1,137MHz(リファレンス : 1,006 MHz)、ブーストクロック1,202MHz(リファレンス : 1,058 MHz)、メモリクロック6,200MHz(リファレンス : 6,008 MHz)へと大幅に引き上げられたクロックレベルはまさにシングルGPU最上位に相応しい。以前「GIGABYTE Tech Tour 2012 Tokyo」で目にした試作機からは、製品化に伴いメモリクロック(試作機 : 6,400 MHz)が若干落とされたようだが、それでもリファレンスを遥かに凌駕するスペックは魅力的だ。
なお、「WIND FORCE 5X」は「GV-N680SO-2GD」を特徴付ける最大のファクターということもあり、後ほどクーラーセッションにて詳しく“解剖”していくつもりなのでお楽しみに。
そして発売前から繰り返し強調されているオーバークロック耐性の高さも見逃せないポイントだ。
「WIND FORCE 5X」の冷却性能もさることながら、「GPU GAUNTLET Sorting」と呼ばれる独自のGPU選別プロセスにより、同一チップから耐性の高いGPUのみを選りすぐるという贅沢なアプローチを採用する。その上でGIGABYTEが設定する品質基準「Ultra Durable VGA PLUS」に準拠、高周ノイズを低減するNECトーキン製デカップリングデバイス「プロードライザ」や、2オンスの銅箔層、フェアライトチョーク、日本製高耐久固体コンデンサなど、搭載される高品質コンポーネントの数々は枚挙に暇がない。加えて極冷中のコールドバグに強いオーバークロック用のセカンドBIOSを搭載する「GIGABYTE Extreme Dual BIOS」も実装。「GV-N680SO-2GD」は、極限のオーバークロックを実現するためのあらゆる武器をすでに手に入れている。
恐らく店頭の一番目立つエンドコーナーに座るであろうパッケージは黒を基調としたシンプルなデザイン。派手さはないものの重厚で、最高峰モデルであることを示す「Super Over Clock」のロゴがよく目立つ。裏返すと「WIND FORCE 5X」の図解や「Ultra Durable VGA PLUS」の優位性などが列挙されているが、もし店頭でこのパッケージを目撃した際は、解説を見るフリをして実際に手に持ってみることをオススメしたい。巨大な「GV-N680SO-2GD」を収めた重みが手に心地よく伝わってくるはずだ。
パッケージの外形寸法は実測値でW405×D105×H235mm。外側の化粧箱はもとより、「GV-N680SO-2GD」を収めるブラックの内箱にも「Super Over Clock」のロゴが飾られている |