フルアーマー仕様の「GV-N680SO-2GD」を矯めつ眇めつ
現行グラフィックスカードとして最大級であろう「GV-N680SO-2GD」の外形寸法はW303×D148×H64mm。これはデュアルGPU搭載モデルGTX 690をも軽々と上回るもので、重量に至っては実に1.6kgオーバー。組み込む際の苦労もさることながら、搭載ケースを選ぶのは言うまでもない。ケース内部でカード先端を支えるようなギミックあれば申し分ないのだが、それは少し欲張りだろうか。


サイドに5連ファンを並べる「WIND FORCE 5X」を搭載。ヘビー級な「GV-N680SO-2GD」は背面に至るまで装甲に覆われている


数えきれないほどの放熱フィンがいかにも冷えそうな印象を与えてくれる。ビッグサイズなカード長のせいか、PCI-Express(×16)端子が短く見えてしまうのはご愛嬌
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出力インターフェイスはDVI-I×1、DVI-D×1、HDMI×1、DisplayPort×1。ブラケットに開けられたスリットは「SOC」を象った小粋なデザインを採用する |
選別チップを載せる堅牢な強化基板
巨大なクーラーと背面を覆い隠す放熱プレートを取り外せば、GIGABYTE独自の品質基準「Ultra Durable VGA PLUS」をクリアする高品質コンポーネントの数々が姿を現す。電源回路はいたずらにフェーズ数を増やすことはせず、電力効率の面で最も有利とはじき出された8フェーズを搭載する。GIGABYTEならではの解釈が光る基板上のレイアウトを隅々まで眺めてみよう。

やはり「WIND FORCE 5X」の質量と存在感は際立っている。いつも以上に苦労した“3枚おろし”を終えれば、普段は隠されている「GV-N680SO-2GD」の基板を見ることができる

背面には放熱用のアルミプレートを装備。巨大クーラーと一緒に基板をサンドイッチしている
 NVIDIAのハイエンド向けGPU GeForce GTX 680 |
 GPUを中心に、メモリチップを8枚構成で搭載する |
 ビデオメモリはSK Hynix製GDDR5「H5GQ2H24MFR-R0C」。8枚で合計2,048MBを実装する |
 こちらは「GIGABYTE Extreme Dual BIOS」の切り替えスイッチ。通常時は青く、OC用のLN2 BIOS選択時には赤くLEDが点灯する |
8フェーズを搭載する電源周り

電力効率を考えぬいて採用される8フェーズの電源回路。「GV-N680SO-2GD」のOC性能を下支えする
 大電流を安定して供給する「メタルチョーク」 |
 基板上に実装されるコンデンサはすべて耐久性の高い日本製固体コンデンサが採用される |
 MOSFETは省電力かつ低抵抗のモデルが採用される |
 チョークコイルはすべてフェライトコアチョークのみを搭載する |
 NIKOS製MOSFET「PA102FDG」 |
 NIKOS製電源レギュレータ「L1117D」 |
 ON Semiconductor製のPWMコントローラ「CHL8318」 |
 TI製MCU「M430F5510」 |
装甲に隠された背面を覗く

背面にもプロードライザをはじめ、多数のチップが実装されている
 GPUの裏側には2つセットでチップが搭載されていた |
 高周ノイズを低減するNECトーキン製デカップリングデバイス「プロードライザ」 |
カード末端の様子をチェックする
 クーラーの外周部はすべてアルミ製のフレームが覆っている |
 リファレンスとは異なり、PCI-Express補助電源は8pin×2構成に増強されている |
 先端には4pinの入力端子を搭載。通常は使用しない |
 巨大クーラー「WIND FORCE 5X」は3pin×1、5pin×2の3コネクタ構成で稼働している |