エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.173
2012.09.13 更新
文:GDM編集部 絵踏 一/松枝 清顕
以前お届けしたGIGABYTE「GV-N680OC-2GD」に比べ、基板レイアウトや構成部品を強化して投入された「GV-N680SO-2GD」。スペックアップに伴い、最上位モデルに躍り出たフラッグシップモデルには、それに相応しいVGAクーラー「WINDFORCE 5X」が採用されている。
「WINDFORCE 5X」は、GIGABYTE自慢のオリジナルVGAクーラー「WINDFORCE」シリーズで最も強力な冷却能力を誇り、3スロット占有となる大型ヒートシンクの側面には40mm口径の冷却ファンが5基並ぶ。他に類を見ないこの外観は、「GV-N680OC-2GD」の代名詞であり、最大の特徴となっている事は言うまでもない。
「WINDFORCE 5X」は、“King size”のベイパーチャンバーを受熱ベース部に採用する“モンスターVGAクーラー”で、さらにφ6mmヒートパイプ9本が3ブロックに分かれたアルミニウム製ヒートシンクに貫通。素早い熱移動と5連ファンにより、チューンされたGeForce GTX 680の冷却が賄われている。
VGAクーラーのほとんどがヒートシンクに吹き付けるトップフロー型に対し、「WINDFORCE 5×」では“掟破り”のサイドフロー型が採用されている。さらに特筆すべきはヒートシンクに対して吸い出しエアフローになっている点。グラフィックスカードの搭載レイアウトから吹きつけは諦めざるを得ないワケだが、40mm×5連=約200mmの有効エアフロー幅により、十分排熱できるという。
冷却能力は後半のテストセッションに譲り、ここでは先に騒音値を計測しておこう。
「WINDFORCE 5X」の5連冷却ファンは、GPU温度の上下により回転数が自動で制御されるダイナミックスマートファン機能が搭載されている。とは言え、これ自体は決して珍しいものではないが、資料によるとGPU温度が30℃以上になると騒音値が0dBAから18dBAレベルに上昇している。つまりそれ以下は冷却ファンの回転は停止していると解釈できるワケだ。ただし今回のテストでは、一度も0rpm/0dBAにはならず、電源投入時から5連冷却ファンは動作していた。よって、あくまで理論値と解釈すべきかもしれない。
デジタル騒音計によるテストの結果、室内騒音値28.9dBA環境下で、アイドル時は36.6dBA、高負荷時は48.9dBAとなった。一般的なクーラーと違い、エアフロー方向はヒートシンクに対して“吸い出し”になるため、放熱フィンからの風切り音は気にならない。ただし40mm小口径ファン特有の、やや高音域が耳につく動作音は避けられず、アイドル時から聞こえてくる。さらに数値からも想像できるように、高負荷時は“それなりに”動作音が高くなり、懸命に仕事をしている感が一層強くなる。これはさすがに致し方ないところだろう。