エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.173
2012.09.13 更新
文:GDM編集部 絵踏 一/松枝 清顕
モニタリングやクロック・電圧調整を可能にするOCユーティリティソフトはグラフィックスカードのカスタムに欠かせない存在だ。豊富な設定項目や使い勝手の良さを競い、メーカー各社から実に様々なツールがリリースされている。GIGABYTEも「GV-N680SO-2GD」の発売に合わせるようにユーティリティを大幅刷新、斬新なUIを取り入れた「OC GURU II」を本格デビューさせた。
正方形のグリッドが並ぶデザインは、GIGABYTE曰くスマートフォンを意識したというもの。先代の「OC GURU」を含め、ほとんどがスライドバー式のUIを採用する中では際立った存在だ。スライドバーに慣れた身としては多少寂しい気もするが、情報把握の点では好印象。ここではOCユーティリティでもトップの座を狙う「OC GURU II」の各項目を画像でチェックしていこう。
各種パラメータのモニタリングを呼び出せるほか、ファン回転数の細かいカスタムにも対応する |
この手のツールには珍しく、PWMコントロールの項目も備える。ドライバやBIOS、ソフトのアップデートなども専用メニューから選択可能だ |
ここまで大げさなグラフィックスカードを検証する以上、出荷時そのままを試して終わりというわけにもいかない。ここは「GV-N680SO-2GD」の潜在能力を確かめるべく、「OC GURU II」を使用したオーバークロックを試してみることにした。
「OC GURU II」ではコア電圧が1.175V(通常時:0.988V)まで昇圧できるほか、「Power Target」はなんと最大529%まで設定できる。ただしPower Targetに関してはあまり極端な数値では逆にスコアの低下を招いてしまったため、実際は200%ほどが現実的なラインのようだ。そこでコア電圧を最大の1.175V、Power Targetを200%にセットし、GPUクロックのオーバークロックを行った。なお、その際基板上に実装されているBIOS切り替えスイッチを使用し、オーバークロック耐性に優れた「LN2 BIOS」へと切り替えている。
Power Targetをはじめ「OC GURU II」はかなり広い設定範囲を提供してくれるようだが、いたずらに数値を上げればいいというわけではない。Power Targetに関しては、事実上200%が上限と考えていいだろう |
この際騒音には拘るまいと、遠慮なく「WIND FORCE 5X」の能力を全解放。ファン回転数を100%に設定してオーバークロックした結果、GPUクロック(GPUクロックオフセット)が+135MHzを上限に安定し、ブーストクロックが出荷時17%増となる1,336MHzまで上昇した。リファレンス比では実に32%の大幅なクロックアップを達成し、「GV-N680SO-2GD」のオーバークロック耐性はメーカーが謳う通りの高度なレベルにあるようだ。
ちなみにユーザー自身によるオーバークロックは一部を除いてメーカーの保証対象外の行為であり、最悪グラフィックスカードを破損してしまっても自己責任となることは覚えておこう。
「GPU-Z 0.6.4」を使用して動作クロックを確認する。高負荷時にはブーストクロックが1,336MHzに上昇。コア電圧は設定値を超えた1.212vに変化していた |
「GV-N680SO-2GD」がリファレンスを大きく上回るパフォーマンスアップを果たしたことで、俄然この後のテストセッションが楽しみになった。以降の項目では先ほどの「OCバージョン」と出荷時クロックのほか、「OC GURU II」によるクロック調整でリファレンススペックを再現。3パターンのクロックモデルを並べて比較することにした。ただし「リファレンスバージョン」はブーストクロックが1,071MHz(リファレンス:1,058MHz)までしか低下しなかったため、あくまで参考値としてとらえていただければ幸いだ。なお、テストに使用した環境は以下の表を参考にしていただきたい。
出荷時のクロック動作を「GPU-Z 0.6.4」でチェックする。高負荷時にはブーストクロックが1,215MHzまでアップしている |
こちらは比較のためリファレンススペックにクロックを調整した際のもの。ブーストクロックはやや高めのが1,071MHz、高負荷時には1,084MHzまで上昇している |