エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.175
2012.09.21 更新
文:テクニカルライター 藤田 忠
まずはDirectX 11世代の定番ベンチマークソフトのFuturemark Corporation「3DMark11 Version 1.0.3」でパフォーマンスをチェックしよう。計測は「Performance」と「Extreme」の2つのプリセットで実行した。
総合スコアの「3DMark11 Score」とグラフィックス性能の「Graphics Score」を「Performance」と「Extreme」ごとにまとめた。が、ベンチマーク実行時のブーストクロックは、13MHz差とわずかなため、「Performance」で、110前後、「Extreme」で50前後のスコアーにとどまっている。13MHz差で、このスコア差になることを考慮すると、ブーストクロックが90MHz近くダウンする980MHzで動作するリファレンススペックのグラフィックスカードだと、400~700近くのスコアー差は出るだろう。
次に同じ、Futuremark CorporationのDirectX 10世代向けベンチマークソフト「3DMark Vantage1.1.0」でテストを実行した。こちらも、プリセット「Performance」と「Extreme」の2つで計測を行った。
定格調整モデルとの差は250~500スコアーと「3DMark 11 Version1.0.3」より、開いているが、その傾向はまったく同じだ。ただ、少しでも高速なクロックでGPUを動作させたほうが、3D性能は向上することを裏付ける結果にはなっているだろう。
続いてはDirectX 11の新機能となるるテッセレーションを駆使した重量級ベンチマークソフトの「Unigine Heaven DX11 Benchmark 3.0」でテストした。描画の品質設定はGeForce系の最高となる「Tesselletion」“Extreme”、「Shaders」“High”、「Anisotropy」“16×”、「Anti-aliasing」“8×”にセット。解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットで計測した。
解像度1,920×1,080ドットでも、Average fpsがゲームを快適に遊べるボーダーラインとなる30fpsを余裕で超える40fps前後なのは、さすがハイエンドGPUのGTX 670といったところだが、定格調整モデルとの差は誤差の範疇になってしまった。
ちなみに、ここまでのテストの間、ブーストクロックのログを取ってきたが、すべてのテストでクロックは、1,071MHzまでアップしていた。「GK104」コアを採用する「GeForce GT 640」以上のモデルが搭載する「GPU Boost」機能はTDPに余裕がある範囲でクロックが向上するが、「Ultra Durable VGA」と「WINDFORCE 2X」の組み合わせは、かなり優秀な電源周りと冷却性能と言えるのではないだろうか。