エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.176
2012.09.24 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
今年開催された「COMPUTEX TAIPEI 2012」でお披露目された「H-Frame」は、来場者の注目を大いに集めた。外観こそPCケースだが、近付いてよく見るとアルミニウムパネルを幾重にも重ねた“ミルフィーユ”スタイル。平坦なパネル11枚を使い、見事立体構造物に仕上げられている。斬新なそのスタイルから展示会用のコンセプトモデルと思いきや、これを製品化して売り出すというから驚きだ。
「COMPUTEX TAIPEI 2012」(左)と「2012 AKIBA PC-DIY EXPO 夏の陣」(右)で出展されたIn Win「H-Frame」。その斬新なデザインが、来場者の目を留めた |
デザインPCケースの試金石とも言える「H-Frame」の役割と期待は大きい。国内正規代理店のエムヴィケーによれば、「ファーストロットの売れ行きによっては、さらに量産される可能性もある」という。新たなカテゴリに潜在的需要があると見込めれば、今後も積極的に新機種を市場に投入してくるだろう。つまり実用的ミドルタワーPCケースとなる「H-Frame」は、In Winの方向性を決める重要なモデルとなるワケだ。なお日本国内市場での市場想定売価は39,800円。総アルミニウム製であること、さらに本格的量産モデルではない点を考慮すれば、妥当な価格かもしれない。
言うなればアルミニウムパネルを“重ねただけの”「H-Frame」はいったいどうなっているのだろうか。
編集部に届けられたサンプルを観察してみると、2mm厚の両サイドパネルとシャーシ外枠にあたるブルーメタリック塗装の4mm厚パネル×2枚、それに挟まれるように2mm厚のパネル7枚の合計11枚で構成されている事が分かる。さらにそれらは要所に仕込まれたシャフトにより連結され、見た目以上に高い剛性を確保し、PCケースの体を成しているのだった。
11枚のアルミニウムパネルを連結するシャフトは、φ9mmの金色シャフト3本、φ5mmの銀色シャフト6本の計9本で構成。これらが要所に配置され、PCケース全体の剛性を確保している |